夢声

□声を聞かせて(第二章)
1ページ/8ページ

園宮家お付きの忍は
迷い迷い瀞霊廷の救護詰所前に

やっとの思いで
たどり着くと


詰所の入口でお嬢様らしき
人物を探しては

死神の隊服の者に
臆する心を奮い立たせ


お嬢様の姿形を説明し歩いていてた


四番隊の詰所のものも


朽木隊長やルキアに
会いに来ていること


お付きの身なりの良さも考慮し


丁寧に対応していた




たまたま、詰所の中庭を
散歩していた
朽木白哉が
入口から園宮家の者と
名乗る女を目を向けると


詰所の者も
安堵の表情を浮かべ


忍と白哉のやり取りを眺めていた



「女、園宮の者と名乗ったか?」

白哉の物言いに

忍は一瞬構えたが

それとわかる
白哉の髪飾りに恐縮し


深々頭を下げて


「鈴姫様がこちらに
おいでではないでしょうか」


「私、園宮のお嬢様に
お仕えします、忍ともうします」


「仕える者なら
何故、1人歩きをさせた」


抑揚の無い白哉の声に

忍は自分の顔から血の気を引くのを
感じて俯く



白哉が
「鈴姫なら…」
さもあらんと、溜め息をつくと


詰所の入口を

影が覆う




「お嬢様!!」


忍も突然暗くなった
入口に振り向くと


狛村の腕に抱き抱えられた
鈴姫を
何事かと思う叫び声をあげ

駆け寄る
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ