小説

□華の高校生ってこんなもの
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「せんせーい、気持ち悪いんで、保健室行ってきまーす」

「っおい!まて、こら!まだ何もいってねえだろ」

明らかにサボりだろうと思わせる台詞と態度と、それに対して声を張り上げてキレそうになる若い先生。

高校生ってこんなもんだ、と心の中で
呟いた後、また読みかけの漫画を読み出した。



華の高校生ってこんなもの



キーンコーンカーンコーン

チャイムがなった気がして、はっと顔を上げると皆が思い思いに好きなことをしていた。

終わってたんだ。漫画読んでたから気がつかなかった。よいしょ、と席を立って一応形だけ置いてあった教材をしまいに行く。
確かもう昼だよな。昼寝してそのままサボるか。あれ?俺今日煙草持ってきてたよな?

ガラッ
「おい」
げッ、うるさいの来た。無視無視。構ってらんないし。

「こ、この俺をおいてどこ行くんだよ!」

「さあ?どこだろうね」

叫んでる奴は無視して足を進める。行き先はもちろん屋上である。

「っだから!どこに…」

「なんで教えなきゃいけないの?」

軽く被せるようにして言うと、下村の目が段々潤んでくるのが分かる。あーあ、またこいつ廊下で泣くのかなあ。



めんどくさい奴。

泣き虫。

しつこくて煩い。

こいつにいいとこなんてあんの?そのぐらいウザい。


けど、それでも。少しだけ、泣きそうな顔が可愛いと思ってしまった。

可愛いと思わず呟いたのは、離れてるとこに立ってるあいつにも聞こえたらしい。

少しずつ近づきながら距離を縮めていくと、それにつられて顔が堅くなって赤面していく。そんな姿も可愛くて。

目の前まで来ると、そっと顔に手をそえる。

「ふっ、顔真っ赤じゃん」

「っだって、あっ、あんたが、」

「あーうるせえ」

ガッと襟元を掴むと噛みつくようなキスをしてやった。

驚いて思わず口を開いたのを見逃さず舌を差し込む。口内を掻き回せば、どんどん下村の力が抜けていくのが分かる。

周りからぎゃんぎゃんと騒ぐ声が聞こえる。いつも間にか人が集まっていたらしい。苦しいのか、下村が肩を叩いてきたので、最後に舌を吸ってから離してやるとペタンと座り込んだ。


言葉が出ないのか、口パクでなんで、と言ってくる。

なんでだろーな。お前が可愛かったからじゃね?


そう言えば、また周りの声が一層煩くなった気がした。




━━━
わーい、やっと書けた!!学校でわちゃわちゃするやつ書きたかったんです、はい。

この話はシリーズ化するかもしれません。分かんないけど。

ちなみに、「お姫様と王子(略)」と「華の高校生(略)」に出てくる4人は同級生です。


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