ユヴォルユで50のお題

□19 おやすみ
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※性描写があります。ご注意ください。





19 おやすみ








以前日本へ帰ってから今回のスタツアまで日にちが空いて、おれの方の感覚から
しても、会うのは久しぶりだった。

「みんな、久しぶり、元気にしてた?ヴォルフ、元気?」

「当たり前だ。お前のようなへなちょこと一緒にするな」

憎まれ口を聞きながらも、ヴォルフはおれから目を逸らさない。

おれも、ヴォルフのエメラルドグリーンの瞳から目を逸らしたくなくて人目が
あるというのに暫く見つめあってしまう。

しかしそれもすぐギュンターに阻まれ、おれは執務室に連れて行かれた。

たんまりと溜まっていた雑務におれがうんざりとした顔をしていると、コンラッドが、
今日は来たばかりで陛下もお疲れでしょう、と助け舟を出してくれた。

ありがとう、コンラッド。

おれは今日は特別に早めに仕事から解放され、夕食と風呂を済ませた。

寝室に入る。

ベッドの掛布団にこんもりと山ができていた。

中身はヴォルフだろう。

「ヴォルフ」

名を呼ぶと、山の中からひょこっとヴォルフが顔を出した。

湯上りマダムの格好だ。

「ユーリ。早かったな」

「ヴォルフこそ、やけに早いけど夕食と風呂はすんだのか?」

「ああ。今日は仕事も少なかったからな」

そうヴォルフは偶然のように言うけれど、おれがひさしぶりに来たから早く仕事を
終わらせてきたことをおれは知っている。

「ところでさ」

「なんだ?」

「ヴォルフ…その格好はやめようよ」

「どうしてだ?」

「前が肌蹴そうで…無駄に色っぽいっていうか目の毒」

「目の毒…?」

ヴォルフはおれの手を取って、自分の胸元に持っていって肌に触れさせた。

「何も我慢しなくても欲しいのなら手にすればいいだろう?」

おれは指先に触れたヴォルフの鎖骨を少し指を動かして撫でた。

ヴォルフの身体がわずかにぴく、と動いた。

「…いいの?おれ、途中で止めろって言われても絶対止められないよ」

「言わないから大丈夫だ」

おれはまず唇で、ヴォルフの唇にそっと触れた。







「んっ…」

ヴォルフのミルク色の肌がピンク色に染まる。

おれはその滑らかな感触を探ることに、唇で撫でることにすっかり夢中になって、
荒い息をついていた。

「ヴォルフ…ヴォルフラム…」

「ユーリ…あ…っ」

綺麗なベビーピンクの胸の飾りを片手で弄び、もう片方をしつこく舐る。

「ん…っ!」

「……ぃだ…」

「……ぁ…」

「…聞いてる?…好きだよ、って言ったの」

「…何?!……ああっ!!」

ヴォルフが驚いた隙を狙って、男が一番感じる部分を口にする。

「な、何する…っ!んっ…!」

我ながら男のものを口にするのにもっと抵抗があるかと思ったが、まったくそう
いう感じはなかった。

ただ、舌で感じそうな部分を愛撫しながらヴォルフの顔を見上げると、おれの顔を
見下ろしているエメラルドの瞳が潤んでいて、可愛かった。

ヴォルフが歯を食いしばりはじめた。

我慢しているようだ。

「ねえ、お願い。ヴォルフ、おれの口でイって」

おれは片手をのばして胸も弄る。

「ん…!…あ、ああ…っ!」

澄んだアルトの声がひときわ高く上がり、おれはヴォルフのものを口の中で受け止めた。

そのまま飲み下す。

ヴォルフは息を乱して横になっていた。

「ヴォルフ、綺麗だ」

おれがそう言うとヴォルフは両腕で顔を隠してしまった。

「ちょっと!そりゃないだろ…。顔くらい見せろよ」

おれはヴォルフの両腕を持って顔から引き剥がした。

ヴォルフはクスクスと笑っていた。

「ユーリに綺麗と言われても…」

「それはもう聞き飽きた。それより、続きしたいんだけど!!」

「あ、ああ…」

おれはヴォルフの足の間の奥に手をのばした。








おれが欲望を吐き出して、二人で息をついた。

激しくなった息はまだなかなか整わなくて、二人身体を重ねたままひたすら呼吸をした。

そのうちにふつうに話せるほどの呼吸になった。

おれはいつまでもヴォルフの上に乗っているのもかわいそうなので、ヴォルフの隣に転がる。

「ユーリ…」

「ん?」

「…好きだと、言ったな」

「…ああ、うん。言ったよ。好きだよ」

おれがそう言うと、ヴォルフは、おれの目を見たまま嘘みたいに鮮やかに満面の笑みを見
せた。

「ぼくも、好きだ。ユーリ」

ヴォルフがおれに身を寄せてきた。

おれは左腕を出して腕枕をする。

「ヴォルフ」

「ん?」

「布団をかぶらないと風邪をひくよ」

おれはもうおねむモードに入ったヴォルフに布団をかけてやった。

ヴォルフがやっと聞き取れるほどの声で呟いた。

「…こうして寄り添って眠れるのなら、毎日でもしてもいいのにな…」

…確かにシた日はくっついて寝てるけど、そんなに気に入ってるとは気付かなかったな。

ヴォルフは素直じゃなくてあまり思っていることを言わないから。

おれじゃ頼りないと思うけど、甘えてくれていいのにな。

明日から、毎日腕枕をしてみるか?

…おれの理性が持てばね。

「おやすみ」

おれは金色の髪を梳きながら、ヴォルフの頬にキスをした。



END

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