HP短編


□本よりも何よりも
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「ハーマイオニーって勉強より好きなことないの?」

「勉強より好きなこと?」

「好きなものでも良いけど・・・ないの?」

「好きなものねぇ・・・」



‶勉強よりも好きなもの″ねぇ・・・。
そもそも勉強がとてつもなく好きな訳ではないのだ。
マグル出身だからといって馬鹿になどされたくもないし、知らないことを解き明かしていくことは純粋に楽しい。
けれど、それは一概に『好き』とは言えない。
・・・・気がする。
勿論嫌いではない。
書物は大好きだし、呪文を覚えて実践出来た時など最高の気分だ。



「好きなもの・・・」



クイディッチ、好きよ。
ハリーとロン程ではないけれど・・・。
箒に乗るのは少し怖いし、苦手だから駄目ね。
嫌いではないけれど。
魔法界のお菓子、美味しいわ。
でも、脳ミソ味は二度と食べたくないわね。
あ、バタービール!!あれは大好き!!
マグルの世界にもあればいいのに。



「・・・・食べ物ばかりだわ」



なんだか食い意地がはっているみたいで恥ずかしい。
好きなものを考えるのがこんなに難しいなんて!!!
考えてみると嫌いなものはないが、これが一番好き!!と断言できるものもなかった。
これを聞いたパーバティやラベンダーは、きっと明確に答えられるのだろう。
占いとか、お洒落とかゴシップとか男の子の話とか・・・・。
女の子らしい答えが。
・・・・・あれ、私・・・女の子らしくないのかしら。
確かにあの二人と違って、お洒落にもあまり興味がないし、男の子にもあまり・・・・興味が・・・・・。



「そ、そんなことないわ!!知的で乱暴じゃなくて、親切で勇敢で寛容で格好良くて紳士な人とか好きよ!!きっと!!!」



・・・・・いるかしら、そんな人間。
あまりの無茶な自分の願望に少しばかり嫌気がさしてきた。
馬鹿馬鹿しい。
大体なんでこんなこと真面目に考えなきゃいけないのよ。
いいじゃない別に、勉強が一番好きってことで。
なんだか面倒になってきた。



「図書室行こうっと」


                                                                                

                                                             
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