HP短編
□陽溜まりのような笑顔のもとに
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僕は願う。
叶えることは出来ないけれど。
君との未来を僕は願い続ける。
「僕は、死喰い人になる」
見開かれた君の瞳。
僕たち二人だけの秘密の場所で告げた言葉。
彼女はただ驚き、その瞳は混乱していた。
無理もない。
あれほど父のようにはなりたくないと、彼女に洩らしていた僕だ。
その僕が……同じモノになろうとしている。
「明日…ホグワーツを去る。君とも、今日で最後だ」
震える僕の声。
手を握りしめる力が強くなる。
気付くな。
僕の、弱さに…
気付かないでくれ…どうか。
彼女の顔を見ていられず、僕は彼女に背を向けた。