HP短編


□日曜日は図書館へ
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ふわふわと広がる栗色の髪。
聡明で公平、正義感で溢れる琥珀色の瞳。
勝ち気で強気な口調。
優しく全てを包み込む掌。


彼女の魅力を知ったと同時に、僕のこの想いは誰にも知られてはならないのだと悟った。







今日も彼女が微笑みかけるのは、僕ではなくていつだって彼女の隣にいる二人。



「ハーマイオニー!!
 今日こそホグズミードに行くだろう?!」

「そうだよ、ハーマイオニー。
 最近図書館にこもってばっかりじゃないか。たまには息抜きしようよ」



彼女の隣を固めるのは、貧乏赤毛の大家族の六男坊と魔法界で知らない奴はいない英雄……。


――ふん、小うるさい奴等め。どうせ今日も百味ビーンズやら蛙チョコやらを大量に買うんだろうな。


今日は日曜日。
殆どの生徒がホグズミードに出掛けてゆく。


――彼女も行くのだろうか……。


廊下の片隅から耳を澄ませる。
直ぐに彼女のハキハキと声が聞こえる。



「ごめんなさい、ロン、ハリー。
 今日も図書館で調べたい事があるの!
 試験も近いし、うかうかしてられないわっ!!!」



一瞬にして自分の口角が少し上がる。


――そうか、彼女は残るのか


赤毛と疵物の残念そうな声が聞こえるがそんな事はどうだって良い。
彼女が残る。
そして、奴等は消える。


――今日は良い日になりそうだ。


僕はローブを翻して寮へと向かった。


―ー羊皮紙と羽ペンを持って来なくては……
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