Book〜長編〜

□たった一つだけ
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「あの……くそオヤジ」


次の日、奏多は腰を支えての登校だった。

拓弥がそう簡単に終わるわけも無く、奏多が気を失うまでヤり続けたのである。

「もう無理だ……保健室で休んでやる」

毎回保健室に行く奏多だが、サボってるという感覚は無いみたいだ。


足を運んで保健室に行くと中には同じクラスのの対馬新が居た。

「よぉ、奏多お前もサボるのか」

「俺はサボるんじゃなくて身体がダルいから休むの」

新は腰を支えながらベッドの上に上がる奏多を見ていた。


そして……
「かーなた!」

「お、おい……!開けるな」

新はカーテンを開けて奏多が居るベッドに近づいて馬乗りになって乗り腕に捕まる。


「おい……新」

「これつけたのだーれ?」


そう言いながら新は奏多の首筋を触る。

「これは……」

新が触ってるのは、拓弥がつけたキスマークだった。


「彼女……?あっ、彼氏のほうか」


「えっ……」

奏多は目を見開き新を見る。


「ダレかな……八神先生かな」


「……!」

奏多の頭は真っ白になってる。

「ゴメンな。昨日八神先生の家に入る奏多を見てさ」


数ヶ月前、クラスの連中と一緒に拓弥の家に行ったことあるから新も家は知ってる。

「俺の家、八神先生の家に近いんだ」

奏多はもっと注意をすれば良かったと後悔していた。

新は真顔になり言葉を発した。

「黙っているから、…………俺に抱かせろ」


「おまっ……自分が何言ってるか分かってるのか」

「だって奏多美人だからいい顔で鳴いてくれる気がするからね」

奏多は顔を赤くして怒鳴った。

「ふざけるな!抱いてお前にどんなメリットがある!」

新は奏多の頬を優しく撫で

「俺お前のことが好きなんだよ」


「えっ…………」

「それにバレたくないだろ?先生のタメに」


「…………」

自分の不注意でバレたことだ。
拓弥に知られたくないと思ってる。

「だから、素直に俺に抱かれな」


つづく

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