Book〜短編〜

□告白
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卒業式の3月。

3年生は今日卒業である。

そして3年生、生徒会長である如月工は立派に答辞を読みあげたのだ。


…今日でもう最後なのか……

工はやり残したことがあったのだ。

それは後輩の遠山和樹に想いを言ってないことだ。

工と和樹は先輩後輩だが問題なのは男同士なのだ。

工は初めて和樹を見て一目惚れをしたのだ。

それまでは女遊びが酷く、学校では表の顔、外を出れば裏の顔があった。

しかし和樹が入学してから、女遊びをしないで真面目な優等生になり、先生や生徒から好かれるようになった。

和樹とも何度も顔を合わせ仲良く話せるレベルまで来れた。

しかし、和樹はとても綺麗な顔立ちをしている。

工も顔立ちは綺麗だが、女性にモテる。

だが和樹は中性的な意味で綺麗な顔立ちをしているから男女関係なくモテる。

工はそんな相手に告白してOKくれるか不安で仕方がないのだ。

そう考えてると……

「工会長」

和樹の声だ。

「和樹かぁ……どうした?」

「あの、卒業おめでとうございます……!」

「ありがとう」

工が笑顔でお礼を言うと和樹は顔を赤めて下を向く。

「どうした?」

「あの、会長…俺…その……」

和樹はさっきよりも顔を赤くして何かを告げようとしている。
工は心の中でもしかして……と期待している。
そして

「ねぇ、和樹」

「あっはい……!」

「俺が先に言っていい?」

「えっ」

「好きだよ、和樹」

和樹は顔を上げて工を見上げる。

「あの……」

「男同士は一生一緒に居るのは難しいけど、俺は和樹を一生守り抜く。だから俺の側に居て欲しい」

和樹は涙を浮かばせながら返事をする。

「俺も好きです」


END
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