NO MUSIC NO LIFE

□7月7日、晴れ
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朝起きて、私は日めくりカレンダーをめくった。今日は7月7日だ。
カレンダーには『七夕』と印刷されており、その下に『真ちゃん誕生日』と私の字で書き足してあった。


身体にまとわりつくような暑さ。梅雨はまだ明けず、ここ3日ほど晴れ間は見られていない。今日もどんより曇り空だ。

東京の帝光中学を卒業後、私は京都の洛山高校に入学した。
男子バスケ部のマネージャーをしていた私に、主将であった赤司君が洛山行きを持ちかけたのだ。

そして、私はそれに乗った。

洛山高校の男子バスケ部は全国クラスで、マネージャーとして関わっていても充実した毎日を過ごせるだろう、と思ったからだ。

実際、ハードながらも毎日が楽しい。
正直、生まれ育った東京から離れるため、不安も大きかった。しかしそれ以上に大好きなバスケに関われて嬉しかったのだ。


ただひとつ、幼馴染みの緑間真太郎のことが気がかりであった。
彼とは幼稚園からの付き合いだ。少し独特の性格だが、常に何事にも手を抜かないところを私は尊敬していた。

赤司君から洛山行きを誘われていることを、私は彼に伝えず受験し、合格した。
京都に行くことを伝えたのは卒業も間近に迫っているころだった。


―後悔というのだろうか


目を閉じると、蘇る。
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