モノクロ世界(内容)
□10、守ること
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一方美代はというと、応援としてラビとブックマンが向かった任務地へと到着し、なんとかイノセンスを確保することに成功していた。
だが、場所が街から離れた場所にあり、日が沈んでしまって暗闇の中で森を抜けるのは危険だとブックマンが判断したため、森の中で野宿することになった。
「あんなにAKUMAがいるなんて聞いてないさー」
予想以上のAKUMAの数に苦戦していたラビはぶつぶつと文句を垂れる。
「ここは街からも離れた場所。ファインダーの調査が満足にできなかったとしても不思議ではあるまい」
「まぁまぁ、無事にイノセンスも回収できたし、別にいいじゃない」
今回はイノセンス自体は簡単に見つかったのだが、AKUMAの妨害が激しく戸惑ってしまったのだ。
ブックマンによると、明日日の出とともにここを経てば昼前には街につけるし、そこまでいけばファインダーとの連絡もとれるらしい。
「じゃ、俺らはこのままアジア支部に飛ぶんだっけか?美代はいったん本部に帰ってイノセンスの保管、と」
「え、ラビたちアジア支部に行くの?これから?」
「我々はエクソシストである前にブックマンでもある。それ故に世界を回るなんてことはよくあることだ」
確かにそれもそうだよね…
なんとなくブックマンっていう訳はよくわからないことばっかだけど、エクソシストとはまた違った立場にいるんだ。
「そういえば、菜緒が任務先で気ィ失ってユウに運ばれてきたって聞いたけど本当なんさ?」
「え、あ、うん。そうだよ」
信じらんねェ!あのユウが女の子にやさしくするとか!!
ところが美代の耳にラビの声は届いていなかった。
「(菜緒…)」
あんな取り乱した彼女は初めて見たのかもしれない。
いつも落ち着いていて、あたしを助けてくれた。
あたしもそれに甘えてばっかりで菜緒のことをちゃんと見たことなんかなかったのかもしれない。