モノクロ世界(内容)

□6、いよいよ原作へ
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元帥の元を離れて数か月。
二人はもう一人前のエクソシストとして任務をこなしていた。
もともと弓を引くことに特化していた二人はみるみる上達し、もうすでにレベル2を相手にできるくらいには力がついた。

だが、あの菜緒の発言もあってか、二人とも単独任務に出ることはなかった。




「それじゃ行ってくる」

「いってらっしゃい」


地下水路からリナリーと並んで菜緒と神田を見送る美代。
二人の姿が見えなくなるまでずっと手を振る彼女にリナリーが笑いながら部屋に戻るように促す。


「風邪でもひいたら菜緒に怒られるわよ」

「うー…菜緒は心配しすぎなんだよー」


しぶしぶとそれでも少しうれしそうにリナリーの後をついていく美代





「(魔女の住む村、か…)」


さきほど見送った二人の行先は、あの小さな村。
それを聞いたとき、いよいよ始まるのだと思った。


「(神田が帰ってきたら、アレンがやってくる)」


そしたら原作が始まる。


この数か月、菜緒と美代は必死になって元の世界に戻る方法を探した。
特に菜緒に至っては、夜中まで文献を読みつぶしているらしい。


「(でも、あたしは…)」


菜緒の言いたいことはよくわかる。
あたしたちみたいな異分子がいたら未来がどう変わってしまうか分からない。
それに原作通りに進んだとしてもあたしたち自身の命の保証なんて全くない。
それでもこっちの世界のみんなはとても暖かくて、ここがもうあたしにとってのホームになっているんだよ…

みんなを助けたい…
だってそのためにあたしたちはここに来たんじゃないの?
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