うみのおさなご(内容)
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白ひげが、あの白ひげが黒い影に覆われ扉の向こうに消えた。
誰も見たことのない海兵の能力は海賊たちを混乱させるには十分だった。
いったいあの男は何をしたんだ?
あの能力は何なんだ
「今だ!海賊たちを打ち取れ!」
しかし、そんな海賊たちを追い詰めるべく中将の一声により再度海軍の攻撃が始まる。
「オヤジィ!!!!!」
「モタモタするな!船に乗れ!!」
生死すら確かめる暇もなく、海賊たちは再び船へと足を動かす。
そんな彼らを無表情で見つめるレムの元へ赤犬が姿を現す。
「ヒトクイ、何を呆けちょる」
「…すみません、ちょっとした胃もたれ的なアレです」
表情を変えずたんたんと告げるレムに赤犬は眉間のしわをさらに深くさせる。
レムの能力、悪魔の実とまた別のその能力、通称“ヒトクイ”
その能力についてレムから説明はあったものの、それが本当かどうか確かめるすべはない。
「…火拳を討つ、ついてこい」
「!…隊長格の集まりに突っ込むんですか?」
現在エース、麦わらのルフィは白ひげ海賊団の隊長たちと行動を共にしている。
それらを相手取るには少々、いやそれなりの手間、犠牲が必要となる。
「フンッ、海賊如きに手間どりゃせんわ」
赤犬の言葉に不愉快そうに顔をゆがめたレムはため息をひとつこぼすと赤犬の後を追った。