うみのおさなご(内容)

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とうとう、船から降りた白ひげへジョンジャイアントの刃が襲うも、その刃は白ひげへと届くことなない。
それどころか白ひげは本部、いや海ごと傾けると、処刑台へ向かって巨大な衝撃波を打ち出した。
誰もが、処刑台が崩れるとそう確信していた。
しかし、衝撃波は大将三人の力によって逸らされ、処刑台には掠ることさえしなかった。

「包囲壁を差動させろ」

元帥の掛け声の元、広場と湾の間に巨大な壁が出現する。
ただの壁ではない、白ひげが壁に向かって衝撃波を打ち込むも、壁は崩れることはなかったが、その包囲壁も完ぺきではなかった。
オーズの体を持ち上げることはできず、一部壁が途切れている。
海賊たちは罠と分かっていても、オーズの開いた道へと走り出すが、海軍の攻撃は止むことなく狭い道に集まった海賊たちを狙い撃つ。
さらに今度は湾内に向かって赤犬の無数のマグマの塊が降り注ぎ始めた。
マグマは海賊たちの足元の氷を溶かし、海を熱湯へと変える。
次第に足場を失い始めた海賊たちへ向かい、今度は砲弾の嵐が襲い掛かった。

「レム中将!大将がお呼びです!」

広場から各隊に向かって指示を飛ばしていたレムのもとへ一人の海兵がかけよる。
すぐにいく、と返事を返したレムは隣に立っていたモモンガに向かって後は頼む、と声をかけると一瞬でその場から姿を消した。





「お呼びですか、大将」

ストン、と軽い音を立てて大将たちの隣に現れたレムに赤犬は顔を向けることなくただ一言、「仕事じゃ」と言葉を発した。
もちろん、それが自分の仕事だと分かっていたし、そうなるように仕向けたのは自分だ。
はやる気持ちを抑えながら、レムは一言、了解、と返事を返した。

「ただ、丸飲みはちょいと厳しいですよ」

目の前で海兵たちを薙ぎ払うその男に視線を向ける。
彼も黙って“喰われる”わけもないだろうし、少々手こずりそうだ。

「構わん、数人連れていけ、他はわし等がやる」

「とりあえず、そっちはまか、おや・・・?」

と、その時だった。
海から巨大な水柱が現れた瞬間、レムたちの目の前に突然麦わらのルフィが現れた。

「あらあら、とうとうここまで・・・」

私がやりましょうか、と刀を抜こうとしたレムを赤犬が制止する。

「お主の相手は白ひげじゃ…確実に仕留めろ」

「…了解」

「っ、おっさんに何する気だ!!」

何かを感じ取ったルフィがレムに向かって抱えていたマストを振りかぶるもそこにすでにレムの姿はなかった。
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