うみのおさなご(内容)
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「あっさですよっ!!」
ドスッ
「ぶほっ!!!?」
突然の腹部への衝撃で目覚めた晴。
涙を浮かべながら顔を起こすと、その犯人が事故現場の上でにこにこと笑っていた。
「おにいちゃんおはよっ!朝だよ!!」
本当は説教のひとつでもしたいところだが、その笑顔には勝てず、おはようと返事を返すしかなかった。
「サッチ隊長が朝ごはんできたって!!」
「うぃ…リンさん、明日から起こすときはこう、もっと穏やかな方がおにーさんうれしいかな?」
「わかった!!(満面の笑み」
「…ヨロシクオネガイシマス」
いまだ痛む腹部をさすりながら(もうちょっとリンが重たかったら死んでた)部屋をでるとちょうどエースがいた。
「おはよーさん!お前らも朝飯か!?」
「おはようございます。エースさん」
「おはよーございます!」
「おうおう!元気だなー」
偶然出会ったエースもこれから食事だそうなので一緒に食堂へ行くことに。
白ひげ海賊団の食堂なんて人数が人数だけにものすごく混んでそうだな、なんてひとり考えていると付いたのはだだっぴろい部屋。
奥の厨房らしきところでは白い服を着たコックらしき男たちが忙しそうに仕事しているが、それ以外は思ったよりも人数が少なくて逆に驚いた。
そんな晴に気が付いたのかエースが笑いながら説明をする。
「いつもはもっと混んでんだけどな、宴会の後だとみんなまだ寝てっからすかすかなんだ」
「なーるほど」
(エースさんは大丈夫なんですか?あんなに昨日飲んだのに)
(飯食い損ねるわけにはいかねえからなー)
(兄弟・・・)
というわけで、食事を受け取り、エースと共に座ったはいいが、エースの皿の数が半端ない。
エース一人だけで4人分ほどの場所にぎっしりと料理がならんでいる。
そしてそれがまるで手品みたいに消えていくものだからリンなんて自分の食事そっちのけでエースをガン見だ。
「んあ?んんーん?(くわねーの?)」
「…エースさん、食べるか話すかどっちかにしてください」
ごっきゅん
「リン、くわねーと冷めちまうぞ」
「は、はい!」
エースに言われてはっとして手を動かし始めるリン。
そんな彼女にえらいえらいと微笑むと今度はぴっ!とフォークを晴の方へと向けた。
「あと、敬語とかなしな。俺のこともエースでいいから!」
「…わかった」
そう返事をするとエースは満足したようにまた食事へと戻って行った。