うみのおさなご(内容)
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ってことで、モビーなう。
甲板に上がった途端向けられる無数の視線。
もちろんそれは船員たちのもので、それを見かねたマルコがこいつらは親父の島のやつらだから歓迎してやれよいと声をかけるといっきに騒がしくなった。
そんな彼らにいまだ腕の中にいるリンが驚いてビクリと体を震わせた。
「どうする?降りるか?」
「う、うん」
こわごわと甲板に降りて、あたりを見回す彼女。
あの小さい体ならこの船もまた一段と大きく見えるんだろうなと一人思ってると、マルコが他の男と話し始め視線が晴から外れた。
その隙にと能力を解除した瞬間、晴はがくりと膝から崩れ落ちる。
「(っ・・・結構危なかった)」
「お、おにいちゃんっ」
突然膝をついた晴に一気に顔が曇ったリンを大丈夫だとあやす。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとうございます」
伸ばされた腕はエースのものだったらしく、お言葉に甘えて、とその腕を掴んだらぐいっと引っ張られた。
なんとか立ち上がった晴に歩けるかと声をかけたマルコに大丈夫だと返事をする。
「(うん、歩けないことはない)」
そんな晴の様子を見て大丈夫だと判断したマルコが足を進め、その後ろをついて行った。
「ところで、お前さんはリサとどういう関係だよい」
「あー・・・リサさんとは面識はありません」
「え、お前ら兄妹じゃなかったのか?」
「違います」
目的の部屋は結構奥の方へあるらしく、道中マルコやエースから質問攻めにあう晴。
マルコが晴に背を向けてすたすたと先を歩くのに対してエースは横から大丈夫か?どっか怪我してんじゃねぇか?など声をかけてくる。
そんな彼に晴は大丈夫だと伝えるも、エースは側から離れる様子はない。
「おにいちゃんどっかいたいの?」
リンまでそう言いだしてきりがない。
両脇から心配そうな目に囲まれるのはこちらとしてもいたたまれないというか・・・