うみのおさなご(内容)

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「ぬぅ…」


「…リン、ピーマン嫌いなの?」




お皿の上に乗ったものをきれいに食べおわった晴は、隣で唸り声をあげながら皿の端に残ったピーマンをつつくリンに声をかけた。




「た、食べられるんだよ?…その…ちっちゃくなってたら(ごにょごにょ」




少し恥ずかしそうに言う彼女。
確かにどの料理も男ばかりの海賊船にふさわしいような豪快な料理ばかりだったし、材料も結構大きめカットで、ピーマンなんて半分に切られたものがごろんごろん(2切れ)と入っていた(豪快にもほどがある)
だが味はやはり船旅ならではというか濃いめでおいしかったのだが、彼女にとってはやはりピーマンのその見た目に渋っているらしい。
だが、野菜は船旅ではかかしちゃならないものだし、とどーしたものかと考えていたら目の前にすっとタルトがのった皿が出てきた。




「ちゃんと食べれたら、サッチがこれ食っていいってよい」


「お!マルコ!うまそーだな!俺も」



グー(ドンッ



「「ビクッ」」


「いつものことだよい」




突然のタルト出現に食事の途中だった(まだ食ってるよ)エースがぬっとこっちに身を乗り出した瞬間、どんっと頭をテーブルに打ち付けて寝てしまったことに二人で肩を震わせるが、マルコは慣れたようにその頭を向こうに押しやった。




「ピーマン食べたらこれやるよい」


「た、たると…(きらきら」




目をきらきらさせながら目の前のタルトを見つめるリンにマルコがにやりと笑みを浮かべる。




「どーするよい。リンがピーマン食べれなかったらこれはエースのもんになっちまうねぇ…」


「ぬぅ…」




タルトとピーマンを睨めるリンに晴が助け舟を出す。




「ほら、口あける」




フォークでぶっさしたピーマンを口元まで持っていくと覚悟を決めたリンがぎゅっと目を瞑ってぱくっとかぶりついた。






「んぐ(しゃくしゃくしゃくしゃく…しゃくしゃくしゃく…しゃく…ごっくん)」





「「(なげぇ…)」」




涙目ながらも飲み込んだリンはぐっとリンゴジュースを飲み干すともう一個!と口を開けた。
その口に残りの一個を晴が入れてやると(目は瞑ったまま)またしゃくしゃくと咀嚼し、ごくり、と飲み込んだ。




「お、おいしかった、です」




涙目でそう言い切ったリン。
周りで見守っていた(いつの間に)船員たちもさすがリンちゃんだ!えらいぞ!かわいいぞ!もう俺と結婚しようぜ!!なんて言葉をかける(最後の言葉言ったやつあとで締める)




「ほら、これはお前のもんだよい」


「ありがとうございます!」




ようやく手に入れたご褒美に満面の笑みを浮かべながらフルーツがたっぷり乗ったタルトを頬張る。
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