モノクロ世界(内容)
□6、いよいよ原作へ
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「どうしたんですか?起きたら父もみなさんもいないから、心配してたんですよ!」
宿へつくと、ソフィアが慌てて出てきた。
口を開こうとしたゴズを押しのけ、神田が2人の前に立つ。
「あの小屋はなんだ」
神田の言葉にソフィアが悲しげに話をし始める。
あの小屋に住んでいた老婆のこと…
老婆が死んで起こりだした災害…
そして…新しい魔女…アンジェラ
その悲惨な話に、ゴズがすすり泣く。
「町にいたソフィアはもちろん何も知らなかった。久しぶりの休みに帰ってきて、すべてを知ったの。私が死んで、もう5日もたっていたわ。私はお墓も造ってもらえず、魔女の小屋の裏庭に埋められていた――…」
そこで、菜緒がソフィアの言葉がアンジェラの言葉になっていることに気がついた。
おそらく、横で無表情な顔で話を聞いている神田も気づいているようだ。
「そして…千年伯爵にあった…」
悲しげにつぶやかれた言葉ははたして誰のものであったのか。