モノクロ世界(内容)

□6、いよいよ原作へ
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そのころ菜緒と神田は…


「つかれた――!!」


そう言って、ベッドへダイブする。

「うるせぇ」

神田が怒鳴るが無視。





「じゃぁ、俺はご主人にいろいろと村のことなどを聞いてきます」


そう言ってゴズは下へと降りていった。


「(ここまでは原作通りか…)」


菜緒と神田が村に来てからの出来事は全て小説通り。

何も変わったことは無い。

いままでの任務とは違い、これは原作に一番近い任務だ。
一生懸命頭を振り絞り、小説の内容を思い出す。
その通りに進めばいい。
何も変化させずにこの任務を終わらせる。

そしたら

あれんがやってきて原作が始まるんだ。



「神田、ここのアクマ全部倒すんだよね?」

「あぁ」


その後、ゴズが夕飯の支度ができたのを知らせに来たので、2人で下へと降りていった。


夕食はとても楽しいものだった。

神田は始終仏頂面だったが、スープを飲んだとき、少しだけ眉間の皺が緩んだのを見て、笑顔がこぼれた
(まぁ、本当にそのスープはおいしかったけど)


ソフィアって子も楽しそうに笑うが…



「(アクマ、か…)」


目の前にいるのはソフィアの皮を被ったアンジェラ

今までたくさんのAKUMAを破壊してきた。
しかし、AKUMAの魂と向かい合うのはこれが初めて。


「私の顔に何かついていますか?」

「えっあ、いや…」

ずっと見ていたからだろうか、ソフィアが微笑んでこっちを見る。

「いや、その…あなたの母親はどうしたのかな…なんて」

とっさに口を出た言葉はあの小説の台詞のまんまだったと気づくには少し遅かったようだ。
その言葉はソフィアの顔を曇らせるのには十分なものだった。


「母は、3年前に亡くなりました…」

表情を曇らせて、俯く彼女に心が痛んだ。

「すみません、失礼なことを…」

「いえ、もう3年もたったんですから」

そう言って無理やりだと分かる笑顔で答える彼女には気づかない振りをして無事に夕食を終えた。
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