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□キョウチクトウ
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 ベータには何がなんだか分からない。
「どういう…事だったんですか?」
「まず君は服を着たほうがいいね」
 ガンマはベータの胸が露になっている事は気にせずにドレスを着せてあげた。
「いいかい?普通人前で服を脱ぐという事は恥ずかしい事なんだよ?しかも今君は襲われていたんだ。危うく君はあの男達に汚されるところだったんだ」
「汚す…とは…?」
「うーん…君の処女があの汚い男達に奪われるとこだったよっていう意味だよ」
「処女…本で見た事あります…性行為をした事がない女性にあるものですよね。あ、それは処女膜でした…違うのですか?」
 ガンマは少し焦ったが、すぐ笑顔になった。
「うん、同じだよ。けど、そういう言葉は君のような綺麗な女の子が言う言葉ではないね」
「そうですか…」
「ところで君はなんでここにいるんだい?」
「道に迷ってしまって…」
「そっか、箱入り娘だったんだよね」
「そうです…世間で言う箱入り娘だったんです…」
「でもなんでこんなショッピングモールに?君のような家系だったらもっと高い所に行けただろう?」
「いえ、私、家出してきたんです!!」
 これにはいくら政府の機密警察のルートエージェントのガンマでも参った様子だった。
「はぁ…どうしてだい?」
「私、いい加減外に出たいと思ったんです!反抗期です反抗期!!」
「そうかい…でも僕は君をこのまま放っておくわけにはいかなくなってしまったよ」
「何故です?あなたもあの人達のように私を汚すからですか?」
「違うよ。僕は君をあの屋敷へ帰さなければならない」
「い、嫌です!!帰りません!!!!」
「そうは言ってもねぇ…」
「分かりました。帰ります」
「そうかい」
「ただし、今日一日は帰りません!」
「!?」
「ですからあなたが私の護衛をしてください!」
「き、君…今僕が言った言葉を分かっているのかい?」
「はい、分かっていますわ。でも、明日には帰りますよ。ですが、今日一日は遊ばせてもらいます」
 ベータは何がなんでも引き下がらない気だ。
「明日は帰るんだね」
 ガンマはここで押しても駄目だと思った。
「はい」
「じゃあ今日一日このルートエージェントガンマが君の護衛をして差し上げますよ。ベータ」
「何故私の名前を?」
「分からないわけがないだろう?君の屋敷は僕らルートエージェントを動かしている本部だよ?」
「本部…?そんなところだったんですか…あこそは…」
「知らなかったのかい?」
「全ッ然知りませんでした」
「本当に箱入り娘だったわけだね」
「はい」
「じゃあこの最高峰の護衛を連れて、ベータは何がしたいんだい?」
「そうですね…まずはおしゃれというものをしてみたいです!」
「よし、それならこのガンマがコーディネイトしてあげよう」
「お願いします!」
 ガンマとベータはショッピングモール内を歩いた。

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