夜空を支える騎士

□戦闘準備
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同じリングを持つ者同士のガチンコ勝負〜〜!!?





「今回のリング争奪戦では」





「我々が審判をつとめます」





…夜のハーフボンゴレリング…ね





「そこで真にリングにふさわしいのはどちらなのか






命をかけて証明してもらいます






「それでは明晩11時
並盛中でお待ちしています」















ヴァリアーと沢田たちのリングをかけた戦いが始まることになった翌日

日吉は目の前の3人に目を細めた
戦う相手は殺し屋集団
これまで普通に生活していた彼らの身が竦むのも当然だ
日吉たちも、あの跡部や真田や手塚でさえも、恐怖を抱き、苦悩していた
しかし


「大丈夫だって…最初はオレ、自分があのロン毛に勝つことしか考えてなくてさ
未だに状況もよく分かってねーしな。でもみんなが揃った時思ったんだ
オレじゃなくてオレ達の戦いだって…一人じゃねーんだぜツナ。みんなで勝とーぜ」

「や……山本……」

「ったりめーだ!!あんな奴らにボンゴレをまかせられるか!」

「獄寺君!!!」

「相手が誰だろうが蹴散らしてやりますよ!
勝つのはオレ達です。まかせてください10代目!!」


朗らかな表情の山本。そして自信満々の獄寺
そんな2人を見て体の震えがおさまり安堵の様子を見せる沢田

素直に凄いと思った。そう言い切れることに
壁を前にしてもなお、その先を見る事をやめない彼らに


「(……俺もまだまだだな)」


彼の口癖を思い出し、日吉はフッと口角を上げ3人に近づいた


「随分と盛り上がってるな」

「あ、若くん!」

「よ、日吉!」

「んでテメェがいんだよ日吉!」

「……学校に行くからだが」


朗らかな沢田と山本とは反対に険のある獄寺に日吉はうんざり顔をした
ちなみに彼が持っているミカンの箱がシュールであることは口にしない


「修業は順調か?」

「あ、うん…一応……」

「そうか。獄寺も見習うんだな」

「うるせーぞ日吉ィ!!」


目を吊り上げる獄寺を鬱陶しいと手で払う日吉。沢田は困惑気味に笑った
すると山本は気になっていた、と獄寺の持つミカンの段ボールを指摘した


「そういえば獄寺なんだこれ?紙ヒコーキ?」

「なっ!おいコラ開けんなっ」


段ボールの中を勝手に見た山本に獄寺が声を荒げた
沢田はその中身に訝しむ


「こんなにたくさんの紙ヒコーキどーすんの?」

「修業に使うんスよ。実はまだ完成してなくて…今から山に行くんス」

「ったく、さっさと完成させろよ」

「うっせー!!」


日吉を怒鳴りつけた獄寺はしかし表情を変えてツナを見た


「にしても霧のリングの奴は何してんスかねー
この大事な時に顔も見せずに!!」


日吉は口を閉ざした
彼は会ったことはないが、今、霧の守護者の代わりを務める彼女は修業を頑張っている
彼と、彼女のために


「どんな奴だろーな」

「アホ牛よりまともな奴であることを願うばかりだぜ…」

「た…確かに…」

「(それには同感だな)」


彼女で本当に良かった、と日吉は肩を撫で下ろした



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