学園アリス
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身体が燃えるように熱い。
「っ愛美先輩……!」
「どうしてまたこんな無茶を…!」
秀ちゃんと昴ちゃんの声が聞こえる。無事に昴ちゃんのとこに運んでくれたんだね。
あたしはそれに安堵し、ゆっくりと瞳を開けた――――
『……っ、う……』
「愛美先輩!?」
「僕たちが誰か分かりますか!??」
ギュッと握られている両手。あたしはそれに応えるように力を込めた。
『……ゅうちゃ、す、るちゃん…』
「ッッ…よか、た…!」
「頼むから……もうこんな無茶しないで下さい…!」
「愛美先輩がいなくなったら僕らはいったいどうしたらいいんですか…」
まるで小さな子供のようにあたしに縋り着いてくる二人に、あたしは笑みを零した。
やっぱり見た目は大きく成長していても、中身は昔と変わらないんだな。
『…蜜柑は、』
「……今治療している所です。交代で、」
『あたしの事はいいから、先に蜜柑を治療してあげて?』
「…またそうやって、」
『ふふ、…お願い』
二人は少しの間難しい顔をしながらあたしを見てきたけど、あたしが折れないと踏んだのか最後には頷いてくれた。
『……さて、と』
あたしも治療しないとね。
そう言って全能のアリスで盗みのアリスを使う。
しばらくすると、あたしの手の中に大きな石――アリスストーンが出来た。
それを何度か繰り返して、少し身体の痣が引いてきた。
だけどあたしはレイのアリスをくらいすぎたのか、なかなか痣が無くならない。
あれから何時間が経ったのか、あたしは久しぶりのような感覚で深い眠りに落ちた。
――――病院
『もう無くなったって!』
「だとしてもお前はすぐに無茶すんだろ!?」
『るっさいなー!ほっといて!』
「んのガキャ…!」
『ふーんだ!とにかく、あたしは今から門のとこ行くんだから!
秀ちゃんも昴ちゃんも、那月までもがなーんにも教えてくれなかったからこんなにギリギリなんだかんね』
最後にキッと睨みつけてから、あたしは窓から飛び降りた。
学園の出入り口である、門に向かって
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