D.Gray-man
□08
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時間は刻々と流れゆく。
只今僕は、千年公の首に抱きつき共にぷよぷよと浮いている。
お腹の抱き心地がたまらない♡とそれを堪能していた。
「いいじゃねーの♬ボクらも行くか?」
「ドキドキ!」
「ジャスデビ♡」
そろそろ行こうとしていた二人を、千年公は呼び止める。
それに二人そろって返事をしたのは流石と言うべきか。
「奴らの江戸襲撃…クロスが仕組んでる気がしまス♡
あの男……狙いはノアの方舟かもしれませんヨ〜♡」
師匠―――クロスの名前にツキンと痛む胸。
それにギュッとそこを掴み、気を紛らわせた。
「新しい方舟は今の方舟のプログラムをダウンロードしないと起動しませン♡
今、ロードがやってるトコロでス♡」
「それってボクらも手伝えねーの?」
「できん」
デビの台詞に被るように話に入ってきたスキン。
それにデビは真顔で怒っていた。
「ねっ、社長!
どうして今の方舟ーハコーは江戸から離れられないの?」
「おまえ達がまだ生まれてくる前の話ですヨ♡
ノアにはもう一人“奏者”がいたことがあったのでス♡
そいつが裏切って方舟を狂わせたのですヨ♡」
僕は驚く二人を尻目に頭に映る彼の姿に瞼を強く閉じて、より強く千年公に抱きつく。
それに気づいた千年公は、ナデナデと僕の頭を撫でる。
「……セシル、」
『…………なあに?』
話を一端区切り、僕の名前を呼ぶ千年公。
僕はそれに間を置いて返事をする。
「今からロードのお手伝いに行ってもらってもいいですカ?♡」
『ロードの……?』
「はイ♡奏者の資格を持つセシルにお願いしたいんでス♡
ここに居ては退屈でショウ?♡」
これからする話を出きるだけ僕から避けるためか、はたまた本当にその言葉通りなのかは明白ではない。
だが、僕を気遣ってのその言葉に躊躇うことなくコクンと頷き、僕はロードの元へ向かった。
『――――…ロード』
「ん〜……あっ、セシル〜♪」
『っと……へへっ、お手伝いに来たんだ』
「ホントにぃ?ありがとぅ♪」
嬉しげに抱きついてきたロードを受け止め、二人で再びダウンロードを開始した。
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