D.Gray-man

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ふぅ、と一息吐くとパンパンと汚れを払ってユウと白髪君を抱える。



そしてそのまま門番まで歩く。








「ヒィイ…な、何だよ!」


『おい門番…さっさと開けろ。
斬られてもいいなら開けなくていいけど』







そう脅してもなかなか開けようとしない門番に僕は痺れを切らした。



ふよふよと浮いている黒いゴーレムに向かって怒鳴りつけた。








『さっさと開けろコムイ!!
三年ぶりに帰ってきた奴にこの扱いはないんじゃないの!?』








僕のその言葉にシーンとなるゴーレム。



だがそれも一瞬で、次の瞬間には慌ただしい声が聞こえた。








《ご、ごごごめんセシルちゃん!!
すぐ開けるよー!!!》








そして門は大きな音を立てながら開いた。


フンとそれを一瞥し、僕は靴音を慣らしながら入っていった。


























――――黒の教団、内部





カツン、カツンと音が鳴り響く。


ちなみにさっきの男二人は放置。



だって僕には関係ないもーん。




そしてコムイのいる室長室まで歩いていると、廊下にいるファインダーの人たちの声が耳に入った。








「なぁ、あの子供何だよ?」


「さぁ…つーかあんな奴いたか?」


「んや、見たことねぇ」


「ガキがこんな所に来んなっての」


「ヒャハハっ、それマジ言えてるわ」


「あんな軟弱そーなの…いらなくね?」









それらは全て、僕を否定する言葉だった。



前へと進んでいた足はいつの間にか止まっていた。








『………ねえ』


「あー?」


「どうちまちたかー?」


「キャハハハっ!そりゃおめー赤ちゃんに対する喋り方だろ?」


「こんな奴赤ちゃんでも十分だろ!」








それからも僕を赤ちゃん扱いして話し続けるこの男たちに、僕はまたもやキレた。




後ろから先程の気配…ユウと白髪君たちともう一人…リナリーの気配を感じながら。








『ファインダー如きが調子のんなよ』


「はぁ!?てめぇ今何つった!??」


『一回で聞き取れないとかお前らバカなの?』


「………っ、ガキがナメてんじゃねぇよ!!!」








バタバタと足音も聞こえてきた。



僕の名前を呼ぶ声も聞こえる。



だけどそれを全て無視して目の前の男の首を絞める。








「ぐ、ガ、ア………っっ!!」


「っおい!そいつ放せよ!!」


『黙れよ……ファインダーがエクソシストに…僕に意見言うなよ。

弱いくせに僕に突っかかってくるからでしょ?


一人くらい死んでも代わりはいくらでもいるからさ…





君ら死のっか』


「やめろセシル!!!」








突如、放れた手。

それから訪れた浮遊感。



気づいたときには僕はユウの腕の中にいた。








『……ユウ』


「そんくらいにしとけ」


『…うっさいな、さっきだって僕に気づかなかったくせに』


「それとこれとは別だ」


「ごめんね、セシル」


『………リナリー、』


「ほら、早く行きましょ」









僕はユウに抱かれたまま、その場から強制的に放れることになった。




















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