The philosopher's stone
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今日はハリーのクィディッチの初試合の日だ。
あのジェームズの子供。下手なワケがないし、むしろすごく上手いと思う。
だけど、今の心の状態のまま試合を見に行ってもきっとハリーにジェームズを重ねてしまう。
だから今回は行かなかった。
とても残念そうな3人を見て、心は痛んだが今日は偶然にも予定があったため、嫌々ながらも大広間へと行ったのを見送った。
――――そして今、私は“癒しの部屋”に来ている。
『……よし、やろうか』
片手に杖を持って、神経を集中させる。
『…早く、さ…。
目、覚ましてね…二人とも』
ニコ、と笑ってから呪文を唱え始めた。
――――何時間、経っただろうか
もう声が掠れて上手く唱えられない。
意識も朦朧としてきた。
魔力が足りなくなってきたのかもしれない。
もう意識が事切れる――――次の瞬間何か暖かいものに包まれた
『………っ、え……?』
「ほっほっほ、…さて、大丈夫かの?シアン」
その、暖かい何かは……
『アル、バス………』
ホグワーツの校長、アルバス・ダンブルドアだった。
『どうして、ここに………?』
「ほっほっ、君がクィディッチの試合を見に行かないと風の噂で聞いての。
ここに来たのはただの爺の勘じゃ」
それはそれは愉快そうに笑うアルバスに思わず私も笑ってしまう。
だが、それも束の間。
私の意識は遠いどこかへと飛んでいった。
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