学園アリス
□06
1ページ/3ページ
……あれから何分たったんだろう。
誰もこない………!
あー、つまんないなぁ……。
元々こういう祭りとか騒ぐのが大好きなあたしにとって暇は嫌いだ。
……蜜柑のとこ遊びに行こっかな?
本気でそんな事を考えてると、
「あれ、愛美ちゃん?」
『ほへ……あ、(んじゅじゃない!)鳴海先生!』
「ここにいたのかー。
いつ出てくるのかドキドキしたよー♡」
『は、はぁ……』
何でそんなにドキドキするんだろう?
……ま、いっか!
『はい、じゃあ問題です。
あたしに『寒い』と言わせて下さい。
制限時間は30秒です……よーいドン!』
カチッとタイマーを押し、時間を計る。
さて、どうでるかな??
「(なるほど…、氷のアリスだから寒さには平気、しかも体中に冷気を纏ってるから並大抵の寒さじゃ意味がない……ってことか)
まいったねー、どうしよっか?♡」
『あれ、諦めるんですか?』
「んふふー、諦めないよ?」
『………?』
この人はフェロモンだ。
昔もよくフェロモンの餌食にあってた。
しかもあたしは特にフェロモンに対して弱いから、杏樹先輩と玲生の格好の的になってたんだ。
どれくらい弱いかって?
――――――フェロモンガード飲んでも普通の人くらいにしか効かないってぐらい。
つまり、飲んだらフェロモンは何も飲んでない普通の人くらいになるってこと。
だからフェロモンガードも意味がない。
だけど少しでも効果が薄まるからあたしは今飲んでる。
ここで弱いことにバレちゃいけない。
「(フェロモン(アリス)使うかな…)
《愛美ちゃん……寒い?》」
『っあ……くっ……。
(きた、フェロモン……!)』
「《寒いよね?僕だって寒いもん》」
『んぁっ……さ、さむ……っっ』
我慢しろ、あたし!!
だけど、やはりあたしにはフェロモンは天敵。
残り十秒という文字が目に入る。
大丈夫。
そこに、追い討ちをかけるように先輩はあたしの耳元に息を吹きかけるように声を発した。
「(やっぱり当たり…、かな?)
《クスッ…、寒い、よね?
愛美?》」
『あっ……ふぅっ……さ、さむ……い……!』
.