学園アリス
□03
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学園に来てから数日たった今、私は落ち込んでいます。
「そんな落ち込むなよー愛美」
「………」
「これからまた何回もあんだろー?」
「………」
こりゃダメだ、という風に先輩たちは首を横に振る。
「過ぎちまったことは仕方ねぇだろー?」
「………って、」
「ん?」
「だって、準備したかったんだもん……。
もう、今年のアリス祭の準備は出来ないんだもん……」
私が小さく言うと、教室内は静かだったからよく声が響いた。
だからみんなポカーンとしてる。
そりゃそーだよね…。
準備がしたいなんて普通は言わないもん。
………でも、してみたかった。
前は参加することさえ許されてなかったから、すごく楽しみだった。
準備も、当日も。
なのに、……風邪なんて引いちゃったから…準備一つも出来なかった……。
ズーンと落ち込んでいると、
「あのなー、確かにお前にも準備してもらいたかったけど、風邪なら仕方ねぇだろー?
過ぎたことグチグチ言うんじゃねぇよ!」
グシャグシャっと翼先輩は私の髪の毛を乱暴に撫でた。
その手は、あったかくて、
思わず、涙が出そうになった。
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