D.Gray-man

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神田とのやり取りを見て、もうこれ以上は無駄だと悟ったのか誰も口を開かなかった。






そしてついに、アレンが扉を開けた―――。








「……何だここ…?」

「外じゃねェな…」

「!」






アレンとラビが話していると、神田がピクリと反応した。

それに気づいたアレンは、神田に尋ねる。



そこで、漸く彼も気づいたみたいだ。
















――――スキン・ボリックに







『わぉ、スキンじゃん』

「セシルか…」

『んーっ……と、ほい』






僕はポケットから甘い甘い砂糖菓子をスキンに渡す。


すると、先ほどとは全く違う笑みを浮かべた彼に、僕も自然と頬が緩んだ。






「相変わらずセシルがくれるお菓子は甘いな」

『だって僕、甘党だもん』

「己と一緒だな」

『へへ、だね』






スキンともぐもぐ頬張っていると、何やら神田たちは仲間内で揉めてるみたい。



どうせ誰がスキンと戦ったって勝てやしないのに。






『話はまとまった?』

「……ああ」

『そーかそー「こっちにも返事しなさい!!」

「わ、わかったから早く行け「おいおい」






もう我慢ならなかったのか、スキンが神田の台詞に被せてきた。


……てか未だにリナリーには適わないのか、神田は。






「お前ら、」






一言、スキンが言葉を発していく度に、






「ゴチャゴチャ」







彼の姿は、







「うるせェぞ」







ノアになってゆく。







「!!」



「《六幻》 行くぞ」

「ライ ライ ライ」






スキンは一際大きく光り、







「雷!!」







強い電気を放った。







「二幻、」






神田は向かってくる雷を冷静に見つめ、






「《八花螳螂》ーハッカトウロウー」







攻撃を仕掛けた。







そうして僕らは彼らの戦いを背に、次なるステージへ進むため、扉をくぐった。







『……っ、スキン……』







一度振り返ったその姿は、どこか僕を不安にさせた。




スキンの強さは知ってる。




だけど、それ以上に神田の強さを知ってる。




彼がどれだけ鍛錬してるか、どれだけ心に傷を負ってるか。













どれだけ“あの人”を欲してるか。






彼はおそらくこの戦いでは死なないだろう。





だから、不安なのだ、どうしようもなく。







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