D.Gray-man

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大きな声で叫んだ千年公。
その直後、巨大な蛇の形をした龍が空を舞う。






「喰らえ」






瞬間、炎は僕らめがけて襲ってきた。
ティキはグイッと僕を引っ張り、ギュッと抱きしめその後アクマの腕に乗った。



他のノアもティキ同様ちゃんと無事避難していたが、ただ一人。






「あ、」

『ありゃま』

「ギャハ!!千年公が喰われたー!!!」





僕たちがのんびりとそれを見ていると、





「アホな♡」






という言葉と共に、レロを使い空へと浮いた。






『あ、いた』

「んー?ま、あれくらいで死ぬわけねェな、あの人が」

『アハハッ!だねぇ』





ティキと笑い合っていると、千年公のギラついた声が鼓膜を震わせた。






「元帥、の攻撃ではないですネ、この程度ハッ♡




出てきなさイ…ネズミ共♡」






僕たちの視線の先にある土煙が、どんどん晴れていく。



そして、姿が現れた――――








「元帥の元へは行かせんぞ、伯爵!!」

「キャー♡勝ち目があると思ってるんですカー?♡」





ブックマンの言葉に、挑発的に返す千年公。

それに僕らもニヤリと笑った。







「ほう、あのフザケた形のデブがはくか、ブックマン」

「そうだ」

「あれが“製造者”…」

「あれが…



私たちの、宿敵」






耳の良い僕には聞こえる、彼らの会話。


クロウリーの“フザケた形のデブ”と言う台詞に思わず飛びかかりそうになった。


それをギュッと抱きしめて止めてくれたのは、やっぱりティキだった。






「落ち着け、セシル」

『っ……だってあいつっ、千年公を…!』

「わーってるっつの。
てかさ、もしあれが俺のことでも怒ってた?」





その場違いな問いかけに、僕は一瞬視線をさまよわせるも、コクリと頷き、







『……たり前でしょ、ティキが一番好きなんだから』






こんな事言わせんな、バカ、と小さく呟く。

ティキはそれに満足したのか、唇にチュ、とキスしてきた。




その突然の行為にワナワナと震える。






『っティキ!こ、ここここんな場所で……!』

「俺もセシルのこと、愛してるぜ」






その思いがけない言葉に、口元が緩んだ。


僕も、とまた小さく呟いた。







「ほら、危ないから千年公のとこにいろな」

『え、僕も戦う!』

「ダメだっつーの!つか俺が許しても千年公がいいって言うはずないだろ?」

『〜〜〜っ、そんな事ないよね!?千年公!』






どうしても僕も戦いたくてバッと千年公を見上げる。


千年公は僕を見て一言、







「さあ、セシル♡こちらへ来なさイ♡」

『………ハイ…』






絶対の言葉に素直に従った。






その、直後。





ティキは獲物を見つけたみたいで、一言言うとトンとその場を去った。







『ブーッ!ティキが戦ってるのに僕は何でダメなのー!!』

「スミマセンねェ…少し我慢してくださイ、セシル♡」






またもやヨシヨシと、まるで幼子をあやすようなそれに、僕も口を閉ざした。







「……なあセシル」

『……なぁに、デビット』






不意に話しかけてきたデビ。だが、僕の視線はティキに向いている。







「今から昔のお仲間と戦うってのに、嫌とか思わねェの?」






その答えに興味あるのか、千年公も口を挟んでこない。


フゥ、と息を吐き出すと、僕は閉ざしていた口を再び開いた。






『……全く思わない。
だってさ、兄さんの事を知ってたのに教えてくれなかったし。

それに、僕の大事で愛してやまない兄さんを殺したのはあいつら教団。





嫌よりむしろ、』















殺したくてたまらないよ











その答えに満足したのか、みんな笑顔でそうかと言った。












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