D.Gray-man
□07
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あれから2、3日経って今は鎖国の島、日本の江戸に来ている。
何でもここに“ノアの方舟”があるみたいだ。
…ま、僕もノアとして覚醒してからどことなく覚えてるんだけどね。
―――――で、今なにしているかと言いますと
「ほれ、お前も食ってみろよ」
『いや…いい、遠慮する……』
「んな遠慮すんなって!」
『ちょ、いい……っ、嫌だぁぁあ!!!』
ギャーギャーとティキとハシャいでました。
いや、実際のところはティキが無理矢理池の中の鯉を未調理のまま食べさせてくるんだけどね。
そんなとき、カードがあることを言ったためそれも必然的にピタリと止まった。
「は?」
『今……何て、』
「消ぃ〜えないんでございまぁ〜す。
ア〜レンウォ〜カ〜の名前がぁ〜、こすってもぉ〜こすってもぉ〜」
その特徴的な話し方で、紡ぎ出したそれに僕らは驚く他なかった。
「いやいやいや!んなワケないから!!
しっかりこすれよ、お前。
檻から出たいからってウソ吐いてんじゃねェぞ」
そう言って、ティキは手に持っていた鯉をカードにゴッ!とぶつけた。
カードは苦しそうな声を出しながらも先程と同じことを何回も言ってる。
しまいには泣き出す始末だ。
これには流石のティキも目を見開いて考えざるを得ない。
そんなティキをジッと見つめていると、
「おいおい〜、カッコイイ服装ーナリーしたお兄さんが隣に俺らの姫さん連れて池で鯉盗み食いしてんなよなー。
特別任務中なんだって?ティキ」
そこに現れたのはジャスデビの二人。
相変わらずのパンク系に頬を緩めてしまう。
……てか、“俺らの姫さん”って…。
「よう双子か、今日も顔色悪いな」
「デビットだこのホームレス」
「ジャスデロだ、ふたり合わせてジャスデビだ!!」
「悪いけどあっち行ってくれる?
今考え事してんの」
喚く二人を適当に対処するティキに苦笑を漏らしてしまう。
その後、なんだかんだデロが引く人力車に乗り移動することに。
なんだか悪い気をしながらもデロをチラチラと気にかける。
そんな僕に気にすんなと優しく声をかけてくれるティキに甘え、大人しくデビットとティキの間に収まった。
――――のも束の間、デロが何かを思いっきり轢いた。
「千年公とロードが来たってことは“箱”が出来たんだ?」
「だろうな」
……“箱”、その存在は前もって千年公から聞いていた。
もうすぐ来る戦いに、小さくため息を零した。
「で、甘党は何しに来たんだよ」
「甘党じゃないっ、スキン・ボリックだ!!!」
そう、さっき轢いたのは他でもないスキンで、その巨体を人力車に乗せるために今僕は先程の位置ではなく、
「……ま、お前のお陰でこっちは嬉しいけど?」
ギューッと僕を抱きしめるティキに小さくもがく。
今、僕の座っている場所は
――――ティキのお膝の上
『もーっ、はーなーせー!!』
「やーなこった♪セシル抱き心地良いしー?」
『ギャーっ!!へんたーい!!!』
……などと騒ぎながら千年公の元へと向かった。
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