D.Gray-man
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青い空を、僕は飛んでいる。
否、正確に言うと僕のゴーレムであるキャルが僕を運んでくれていると言った方が正しい。
キャルは僕の師匠であるクロスお手製のゴーレムで、人を運ぶ機能が搭載されてある。
『……キャル、もうちょっとだと思うから…頑張って』
僕の言葉にキャルはまるでうん、と返事するかのようにスピードを速くした。
――――あれから何分飛び続けているだろうか。
未だ続く海にそろそろ嫌気がさしてきたころ、一つの大きな船が見えた。
それは、過去にいちどだけ見たことのある船だった。
『……やっと、かな…』
ぽそりと落ちた声は海に吸い込まれていく。
だがそんな悠長なことは言ってられない事態だ。
『アクマが、あんなに……!?』
うかうかしてられない、と僕は遙か彼方を見やる。
そこには、落下していくアレンとリナリー。
――――そして、白い“ナニカ”
『ぁ………ッ、リナリーっ!!アレン!!!』
叫ぶ声もここでは意味のないものになってしまう。
そして、アクマが一斉に二人を襲ったと思ったら、リナリーはアレンと手を離していてイノセンスの第2解放をしていた。
『……さすがリナリー、速い』
瞬きしたその瞬間にはまたアレンの手をとって着地していた。
僕もそれに倣うように襲ってきたアクマをイノセンス―――“姫王”でやっつけ、二人の側に降りたった。
「…あ、セシル………?」
『っと…一週間ぶり、二人とも』
手を振りにへ、と笑うとリナリーはガバッと抱きついてきた。
アレンも呆然と僕を見ている。
「っ…来てくれたのね…」
『エクソシストは戦わないと。
それに……』
途切れたそれを疑問に思ったのかまた僕を見てくる。
そして僕が例の白い“ナニカ”を見つめていることが分かったのか、二人もそれを視線に捉える。
眼前で繰り広げられているのは、アクマが白い“ナニカ”を狙って攻撃をしている。
…と思ったのも束の間、リナリーは何かに気づいたように声を漏らした。
「あれは……!!」
白い“ナニカ”は、人の形をしていた。
そう、
「スーマン………?」
行方不明者のスーマン・ダークの形を――――
「あ…っ、きゃぁああぁあああ!!!!!!!!!!!!!」
「リナリー!?「ぁあぁああああぁ!!!」
「とうしたんです、リナリー!!?」
そして、リナリーの叫び声は止んだ。
しかし、次に聞こえたその言葉は
あまりにも残酷すぎた
「咎落ち……」
「!?」
『………っんで、』
「し、使徒の…
なり…そこない…」
ねえ、スーマン
貴方はいったいどんな罪を犯したの
.