The philosopher's stone
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私の為に、自分たちの魔法すべてを注ぎ込んでまで残してくれた“ホグワーツ”。
『そんなっ……どうしてそこまで………っ!』
「あら、今更そんな事聞くの?」
「決まってるじゃない!」
「僕たちは、共に過ごしてる証が欲しいんだ」
「それに、シアンにばかり悲しい思いをさせる訳にもいかないだろう」
みんなで真剣に話し合った夜、いつもは喧嘩してばかりのゴドとサラ、それからロウェナとヘルガが“宝物を残す”と言ってくれた日を、きっと死んでも、生まれ変わっても覚えているだろう。
『狼男?何それかっこいい!』
「たまにはこの僕に頼ってほしいな!」
「一人で溜め込むなっつっただろ!?」
「ぼ、ぼぼぼ僕だって君のことが大切なんだよ!」
「…………みんな、まだ僕のこんな姿を見ても友だちでいてくれるのかい?」
満月の夜にリーマスをみんなで追いかけて問い詰めて、泣いて、怒って、笑って、決意したんだ。
『……っぉねがい、行かないで……トム……っ……!』
「僕は、お前を連れて行けない。
お前だけは、僕の“光”であってくれ……」
世界が闇に染まるとき、「光なんてあるわけがない」と言っていたトムが、私を光だと笑って言ってくれた。
この出逢い、そして今までのすべての出来事に、涙しなかった日はなかった。
そして、きっとこれからも私は涙するだろう。
だけど、それって無駄なことじゃないから。
涙を流したら、次はきっと輝くように笑えるから。
お願い、闇とか光とか関係ないの。
ただ、みんなが笑えれば、泣ければ、怒れれば、それでいいの。
マグル?純血?知らないそんな言葉。
だって、私たちは今ここに、同じ場所に立ってるじゃない。
同じ空気を吸って、同じ空で繋がってる。
それって、生きている時にしか出来ない事でしょう?
私はね、みんなが幸せだと感じれる居場所を創るために、そして私自身ずっとここで時を過ごしたいと思う為に、
戦うの。
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