学園アリス

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――――あれから3週間が経ち、やっとのことで退院が許可され、その日にクラスに戻ると皆大袈裟に喜んでくれた。



そんな大袈裟に喜ばなくても、と呆れながらもそう言うとあたしよりも先に退院した蛍に、頭をスパコーン!と叩かれた。















そして、本日は冬のセントラルタウンに来ています。





目的はアリス学園主催のクリスマスパーティーの為の買い出し、だけどね。







「「「わー!!キレ―――っっ!」」」







などとハシャいでいる初等部のみんなをふふ、と笑いながら見つめる。








「おー!チビーズー」

「あー!!翼先輩みっけー!美咲先輩、メガネ先輩たちもー!!」






そして殿内先輩も見つけたけど、(二股中の女の人と)デート中だった為に声をかけなかった。







「おーや、蜜柑ちゃん達♡
君たちも今日はプレゼント選び?」

「鳴海先生ー♡ルカぴょんパーマ!」







嬉しそうに翼先輩から離れたのを見計らって、あたしは翼先輩にソッと近づいた。







『翼先輩、』

「ん?おー愛美!」

『お久しぶりです…あの、』







あたしの言いたいことがわかったのかあー、と頭をガシガシと掻いた翼先輩を不思議そうに見る。



その視線に気付いた翼先輩は、あたしの頭をグシャグシャっと撫でつけた。








『な、「今はいーや」







清々しく笑った翼先輩に、あたしは目を丸くした。



そんなあたしを見て面白そうに目を細めた彼は、あたしだけに聞こえる声量でポソリと呟いた。








「愛美を困らせることはしたくねぇからな。

けど……お前ももうちょっと俺らを頼れ」






これはお前だけに言えることじゃねえけどな、と苦笑混じりに言った翼先輩は先程からうるさく騒いでいるルカたちの元へ行った。








「棗って誕生日やったん!?」

「棗の誕生日は11月27日なんで、いろいろあって何もお祝い出来ないまま日にち過ぎちゃったんだけど…、」





そこで一度言葉を切り、






「せめて何かプレゼントをと思って…」







そう言ったルカの顔は、少し寂しげな顔つきだった。




そして何やかんやあり、何故か棗へのプレゼント合戦が開催されることになりました。















それにしても……








『…誕生日、か…』








今、みんながこっちに意識なくって良かった。



おかげで誰もさっきの聞こえてない。







だけど、そんなあたしを一人見つめてる人がいるなんて、想像もしなかった。







「なっ、愛美もするやろ!?」







いきなり呼ばれたあたしは、一瞬反応が遅れる。

パッと蜜柑を見ると、いつもよりキラキラした瞳を向けてくる。



そして他のみんなも蜜柑と同じような瞳であたしを見てきた。






ただ一人、





杏樹先輩だけは困ったように笑ってたけど――――







『……あたし、は…』








そんなキラキラされると、次の言葉か言いにくい。


だけど…ちゃんと言わないと。








『あたし、誰かにプレゼントとか今までしたことなくって…。

誕生日をお祝いするってこと自体そんなに好きじゃないから。



だからあたしはパスするよ』







ごめんね、と謝ってからあたしは一人その場を去った。



















残された人たちはと言うと―――








「…なん、か…寂しそうやったな愛美…」

「うん……」

「(…ま、好きになれって方が無理だよな)」







みんなが先ほどのことに疑問を抱く中、杏樹だけがその理由を分かっていた。





















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