The philosopher's stone

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『そ、そんなに喜んでくれて…良かった、』







少し照れながら御礼を言う私に更に可愛い可愛いとキュウキュウ抱きしめてくる二人。








「あれ、そう言えばシアン…授業は?」

『ん?あぁ…サボった!』

「「ブッ!! …さすがだ!!」」







ケラケラと笑い転げる二人を見て、やっぱり授業に出た方が良かったかなと今更ながらに思う。


でも、それこそ今更だ。
今日は目一杯ハロウィンを満喫すると誓ったんだ!



授業なんて気にしなーい








『んじゃね、フレッド、ジョージ!
お菓子、ありがとー』

「俺らこそありがとう!」

「またなぁー」







ブンブンとお互い大きく手を振って別の道へと歩き始めた。


















――――その後、アルバスやセブ、それからミネルバ達にもちゃんとねだって、そろそろ大広間に向かう時間になった。



ハロウィンの日のデザートは格別なんだよなあと緩む頬を引き締めていると、前方にロンとハリー、それからそのちょっと後ろにハーマイオニーがいた。




そう言えばまだ三人にはお菓子ねだってなかったと思い出し、声をかけるべく近くまで小走りで近寄ると、








「だから、誰だってあいつには我慢できないっていうんだ。

まったく悪夢みたいなヤツさ」







それだけで、ロンが一体誰のことを言っているのか見当がついた。


そして、それを本人が後ろでちゃんと聞いていたことも。




ハーマイオニーはハリーにドンッとぶつかりながらも急いで二人を追い越していった。








「今の、聞こえたみたい」

「それがどうした?







誰も友達がいないってことはとっくに気がついているだろうさ」







それが耳に入ったが否や、私はバキッ!!とロンを殴り飛ばした。




周りの人たちも何事かと進めていた足を止めてこちらを見やる。



ハリーもいつの間に!?と驚いていたし、何よりロンが一番何が起こったのかあまり理解していなかった。




だけど私は怒りでギュッと握った拳が震える。







『……いい加減にして』

「シアン…?どうし『どうしたもこうしたも、人を何だと思ってるの』







私のその冷めた声にどんどん野次馬が私たちを中心に円を作る。


それさえもあまり目に入ってこない。







『誰が友達いないって?』

「え?…それ、は、ハーマイオ『じゃあそれはここで訂正しておく』







ダンッとロンの胸ぐらを掴みキッと睨む。


それに畏縮したロンは少し涙目になっていた。








『あなたのその廃れた脳みそに刻み込んでおきなさい。

ハーマイオニー・グレンジャーの…親友は、私、シアン・ロイナールだってことをね。



それから、私――――友達をバカにされるの、嫌いなんだよね。

今度同じ事があってみなさい、あんたのその赤毛…見るに耐えないものにしてあげる』







完璧に怖がってるロンの胸ぐらから手を放して、少し遠くからこの様子を見ていたハリーも睨む。



一瞬ビクつくハリーだけど、瞳は依然と強かった。







『…ムカつく』

「え?」

『結局、ハーマイオニーとは上辺だけだったってこと?』

「っそんなつもりじゃ『だって現にさっきのロンの言葉、否定しなかったじゃない』








私の言葉に言い返せないのか押し黙るハリー。


……二人に似てるのは、外見だけだったってこと、か。








『そんなのいらない、必要ない。



ハリーなら、否定してくれるって思ってた』








勝手に期待してごめん、と小さく謝り、私はハーマイオニーが行った方へと足を向けた。























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