学園アリス

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時計を見てもうすぐだと思うと、アナウンスが流れた。









《大変お待たせ致しました。
「眠りの森の白雪姫」まもなく上演致します。


お席におつきになってお待ち下さい》









よし、始まるね♪
膝の上に置いていたウサギさんを床に降ろす。


ふいに動物たちを見ていると、なぜかウキウキしている。





………何かあるのかな?





コテンと首を傾げていると、舞台の幕が上がった。









「“昔々〜♪とある王国のいばら城に美しいお姫様がいました〜〜♪”」









歌に耳を傾ける。
体質系だからかとても上手く、いつまでも聞いていたいと思う。






そんな事を思ってると、舞台に現れたのはまさかのパーマちゃん。


パーマちゃんがお姫様!?と驚いて見ていると、そのキャストに納得した。




………杏樹先輩、一体どんな手を使ったんですか。




さすがだと苦笑していると、王子様が白雪姫に花を渡す。









『……あ、あの白雪姫…流架君だ』









女の子の役だから少し憂鬱そうだったのかとここ最近の流架君を見て納得した。



……あれ、確か王子様って女性限定フェロモンのユーリって人じゃなかったっけ?


あれって……









『………蜜柑?』









どうして舞台に出てるの――――!?と心の中で大騒ぎする。



……まさか、30分遅れたのって…蜜柑たちのせい?








『……あ、ここでは台詞ないんだ』









極力減らしてるのかな。














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