途切れた鎖

□閉ざされた街
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レビーの街は、一言で言えば終わりに向かうだけの場所だった。

「こうも人がいねーとはな」

「わずかですが気配がするので居ることはいるのでしょうけど」

「アタシラの姿見て隠れるように慌ただしい音も聞こえたしな」

街中は伽藍としており、扉や窓は閉められていた。
何件かは煙突から細く煙が昇っていたが、人影は街を一周しても見られなかった。

「気配が五つ、逃げた音が三つ。一周しても十人くらいとしか遭遇しませんか」

「これが大虐殺の影響か」

「ここの権利者の手引きって噂もあるし、好き勝手にやれたんでしょ」

三人が街を眺め歩きながら、感想を共有していく。

私も人の臭いが薄いのを言うべきか迷っていると、「宿を取りましょう」とセロが提案した。

「やってるかー?」

「なかったら、そこら辺の空き家でいいでしょ。空き家には困りそうにないんだし」

結局宿屋はなく、ヴィスカの提案通り街の入り口近くのまだ綺麗そうな空き家へと入った。

扉を開けると、埃がキラキラと舞い上がった。

「結構揃ってますね」

調度品なども揃った状態だったが、所々に砕けた木片や何かで斬られた後が目に入った。

「住人はどうなったことやら」

「逃げたか、売られたか……あるいは」

「殺されたかのどれかでしょうね。街一つはやり過ぎですけど」

「けど、あの奴隷商人たちが犯人で間違いなさそうね」

ヴィスカが壁を叩いてみんなの目を引く。

壁には、×印が傷痕として残っていた。

「商品調達マーク。血痕が見当たりませんでしたから、全員奴隷として捕まった可能性が高いですね」

「検証もいいが、一旦飯にしねーか」

沈痛な雰囲気をランブが荷物を漁りながら提案する。

「そうですね。食べられる時に食べましょうか」

「敵がいないとも限らないしな」

扉に目をやりながら各自荷物を下ろした。
私も預けられた荷物を下ろし、貰ったマント兼ローブを脱ぎ元の格好に戻る。

「わふ、涼しい」

やはり、こっちのほうが落ち着いた。
尻尾は気に入ってしまったけど。

「食料も調達しないとな」

料理担当らしいランブが棚を一通り漁ったあと、調理を始めた。
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