途切れた鎖

□失楽の目覚め
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目算よりも時間がかかり、目的の道へとたどり着いた。

低かった太陽-オド-は中天に移動していた。

思ったよりも時間が掛かった為か、気温が上がった為か、喉の渇きを覚え傍の川の水を地面に四肢を付けた状態で胃に流し込む。

「はふぅ……ここ、どこ?」

喉も潤い、初めの疑問を今さらのように漏らした。

答える人はどこにもいなかった。

水により胃が刺激された為か、今度は空腹が襲ってきた。

無意識に指が草を摘み、口へと運んでいた。

僅かな苦味と青臭さが口内に拡がるが、しばらくその作業を行ってみた。

再び大量に水を飲み、立ち上がる。

道は左右に延びており、直感で右を目指して歩き出す。

「……くわぁ」

欠伸が出る程に眠いのか、退屈なのかわからない道程を歩き続けた。

身体が重く、足取りも遅いが確実に前へと進む。

再びオドが低くなり、蒼い月-ルンナ-が見え始めた頃に、道の先に村が見えた。
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