途切れた鎖
□閉ざされた街
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休憩を入れながら徒歩で一日、そこから小型のロンバという馬を調達し三時間程で寂れた雰囲気の街に着いた。
村よりはやや大きいくらいの規模のここが、目的の場所らしい。
「ここが、レビーの街か」
ランブが瓶に入った水を煽りながら呟いた。
「アン、前閉じとけよ」
ヴィスカが私に話し掛けてくる。
ここに来るまでに、ヴィスカは常に私に話し掛け、面倒を見てくれた。
途中から、アンリから「アン」に変わっていた。
「前の村や周囲の集落では収穫はありませんでしたからね。ないのが良いことなのでしょうけどね。一人増えたのは大きな違いかもしれませんが」
セロは帽子を深く被り、陽射しから顔を反らせる。
「あそこはただの通り道のついでだったしな。ここは噂以上かもな」
道中も何かを三人で話していたが、私には教えて貰えなかった。
「アン、私から離れるなよ」
ヴィスカは私の首輪までを隠すように、首にさらに黒レースの布を巻き付けてきた。
暑いよ……。
そっとマントの中から手を出され、握られた。
「姐さんて、すげー過保護っすよね」
「あん?飼い犬がはぐれないように手綱握るのは当然だろ?お前も親父に握って貰え」
だいぶ二人の掛け合いにも慣れてきた。
二人の関係は同等だと、群れの構造を変更する。
「仲が良いのは善いことですね。そう思いませんか、アンリ」
セロも優しく笑い掛けてくれて、モヤモヤした気分はどこかに行った。
たまに、ヴィスカとセロの様子にモヤモヤはまだするけど……なんなのだろう。
「一旦、下見をしてみましょう。状況によって変わりますが、そのまま宿を取りましょうか」
「やってりゃいいがなー」
「そんくらいは、やってるでしょ」
私たちはレビーの街に足を踏み入れた。