DIABOLIK LOVERS
□スバルとバレンタイン！
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《名前固定です。ご了承ください。》
『あ、あの…スバルくん…』
「あ？何だよ」
今日は２月１４日、バレンタイン。
女の子が大切な人にお菓子をプレゼントする特別な日。
そして、大切な人と聞いてユイの頭に一番に浮かんだのはスバルだった。
(好き…なのかと言われると分からない…
そもそも私はスバルからみたらただのエサなのだし、そういう関係とは無縁な気がする。)
だが、ただ乱暴に扱う他の兄弟とは違い、スバルからは優しさが感じられた。
暴力だってユイには全くというほど奮わず、いつも壊れるのは壁だ。
それになんだかんだで、いつも心配をしてくれるのはスバルだと思う。
まぁ本人はそれを認めようとはしないが…とにかくユイはそう思っている。
だから、普段のお礼ということでユイはスバルにだけチョコレートをあげることにした。
そして家の厨房で、それはそれは細心の注意を払って、何とか誰にもバレずに作ったのだ。
しかし、いざ渡そうとしたところではたと気づいた。
そもそも、スバルはチョコレートが好きなのか、と。
バンパイアは血が好物で人間の食べ物は苦手だと以前言っていた。
『えっと…スバルくんってチョコレート好き？』
「は？チョコレート？別に好きじゃねーよ」
『そ、そうだよね…』
(やっぱり…。)
ユイは箱を握りしめて俯いた。
喜んだ顔を想像しながら作ったが、どうやら無理のようだ。
そんなユイをスバルは怪訝そうに見つめた。
「おい、どうしたんだよ。…その箱は？」
『な、なんでもない！急に変なこと聞いてごめんね！じゃあ！』
「あっ、おい！…って、行っちまったし…一体なんだったんだ？」
「おやおや、意外ですねぇ」
「だな」
「…レイジにアヤトか。何だよ」
「いえ別に。ただ意外だと思いまして」
「だから！何がだよ」
「俺は、お前はチチナシのことが好きだと思ってたからな」
「はぁ！？」
ニヤニヤしながらとんでもないことを言うアヤトに思わず素っ頓狂な声が出た。
「はっ、俺がアイツのことを好きだ？意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇよ」
「おいおい、無自覚かよ。相変わらずお子様だなぁ」
「まぁいいですけど。それではあのチョコレートは私が頂くことにしましょう」
「チョコレート？」
「お前…ほんと鈍感だな。明らかにあの小箱の中身はチョコレートだろうが」
「はぁ？何でわかんだよ」
「スバル、今日は２月１４日ですよ。…それでは、もらいにいきますかね」
何故か挑発するような目で自分を見ながらさっていく2人にスバルは眉を潜めた。
(今日は何かの記念日だったか？)
そんなことを考える一方で頭から離れないのは、さっきのユイの泣きそうな笑顔。
それにユイに2人が話しかけにいくのも気に食わない。
(アイツは俺のだ。)
そんな気持ちの向くままに、スバルはユイの元にかけていった。