君に届け
□a happy day
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「ねぇ、爽子爽子」
昼休み。
ガールズトークの真っ最中。
「明日さ、風早の誕生日じゃん?だから、クラス全員でサプライズパーティーしようと思ってんの。で、明日もあんたたち2人で来てくれるといいなぁって思うんだけど、爽子さりげな〜く一緒に行きたいって言ってくれない?」
「うん」
爽子は快く受け入れた。朝に会えるなら、そのときにプレゼントを渡せるし、朝一番に風早にあえるなんて、嬉しすぎる。
風早に用意したプレゼントは、ネックレスだ。
男の子だから、もっとよく使うものがいいだろうとは思ったが、何を買えばいいかさっぱり見当がつかず、結局無難なものにした。
よし、帰りに誘ってみようと爽子は気合いを入れた。
「あ、あの、風早くん」
「何?」
緊張からか、どもってしまった。
「明日も、学校一緒に行っていい?」
「勿論!」
嬉しそうに頷いてくれた風早に、爽子はほっとした。
ほとんど毎日一緒に登校しているが、爽子から誘ったのは、初めてな気がする。
「黒沼から誘ったのは珍しいよな。どしたの?」
一番聞かれたくないことを聞かれてしまった。
爽子は嘘をつくのが得意でない。
どうしようか……
よし、本当のことを言おう。
「明日は風早くんの誕生日だから、一番に会って、プレゼント渡したいなぁって……思って…」
風早は、驚いたように目を丸くした後、今日一番の笑顔になった。
「ありがとう!!」
風早の声が風に乗って、明るく響いた。