短編
□うるさいくらいがいい
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うるさいうるさいとリスナーや最俺メンバーから言われるのは慣れた。
が、大事な人つまり彼女に言われるのは少々悲しい。
『こーすけまたゲームやってるの?うるさいんだから叫ばないでよねー』
なんて声が。
「こーちゃんも大変だねぇ…」
「うっせぇよ、最近静かにしろってうるさいんだよなぁ」
「こーすけ大丈夫、俺のがうるさいから」
「キヨは客だからいいんだとキヨは」
本当はキヨが好きなんじゃないかと疑ってしまう。
同じ日、いきなり
『こーすけ今日残りの時間黙ってみようよ』
なんて馬鹿げたことを言い出した。
断ってもいいのだが、彼女のキラキラした目には弱い…。
「うし、わかった黙ってみる」
『おぉ〜』
黙ってから大分時間が経った。
『あー…こーすけさんや』
「…ん?」
『やっぱり黙ってなくていい』
「なんで」
あまりにふてくされた顔だったのでクスクスしてしまった。
『んー…だってこーすけいないみたいで』
「ははっ、そっかそっか」
優しく撫でると目を細める君が愛おしい。
『こーすけはうるさいくらいでいいや』
素直な彼女はうるさい俺が好き。