短編
□変なの
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私の家には居候がいる。
最近は部屋から出てこない。
「つっかれたー…グミグミ」
『わ…』
「ん?」
『いや、久しぶりに見たなと』
「あぁ…引きこもって仕事してるから」
引きこもってって…。
「そろそろグミなくなりそう…」
『あ、買ってないです』
「そう…じゃあ久々に外でようかな」
『今日暑いらしいですよ』
「そっか、もうそんな時期」
『自転車出しておきました』
「ん…ありがと」
あ…笑った…。
久々に顔見たけど、意外と可愛い顔してるんだ…。
「ん?なに…、僕変な顔してる?」
『いや、なんでもないです』
「あ、じゃあ行ってくる」
『はい、行ってらっしゃい』
変なの…。
付き合ってもないのに。
行ってくる、行ってらっしゃいのやりとりなんて。
「あ、一緒に行く…?」
たまには二人もいいかもしれない。