短編
□知ってる
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『キヨー、キヨー』
俺を呼ぶ愛しい声。
笑顔動画で実況やってるんだけど
そこで出会った。
彼女もまた実況をやってる。
「んー?」
少し遅れて返事してみる。
案の定膨れっ面。
『最近フリゲばっか構ってる…』
「しゃーない、動画上げなきゃいけないし」
フリゲに嫉妬って…w
ん…?静かになった。
「なにしてんの」
『えー、キヨの動画見てる』
「なにみてんのっ、恥ずかしいから」
『いいべやー、動画のキヨに構って貰ってんの』
……ったく。
馬鹿なのか。
「てか、動画編集とか終わったよ?」
『ホント?…キヨー』
「はいはい」
ぎゅってして撫でる。
『キヨー』
「ん?」
『好き』
「知ってる、俺も好き」