イベント小説

□トリック オア トリート!
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「うまかった」

「普段そんなこと言わない癖に――…、こんな時言うとかずるいよね、うん」



片づけておもしろくもないテレビを二人でソファに座って見ていた。
横をちらりと見ると俺をじっと見ていたシズちゃんの目とあった。



「な、なにっ!?」

「てめぇこそ何でテンパってんだよ」

「違うし!すごくカッコいいなとかキスしてほしいとか、考えてたわけじゃないからね!!あんまり調子乗らない方がいいよ!!」

「………ツンデレっていいな(ボソッ)」



その声は届かず、立ちあがりトイレにいった。そして、ソファに戻る途中に携帯を取り出してカメラモードにした。
こっそりと近づき背後から撮る作戦だ。
だって、こんな機会一年に一回あるかどうかだ。ここで撮らなきゃいつ撮る、折原臨也!
画面の真ん中のボタンを押そうとした瞬間、シズちゃんはくるっと後ろに振り返った。それと同時に押してしまいぶれてしまった。



「なんでシズちゃん後ろ向くの―?ぶれちゃったじゃん!」

「あ?てめぇこそ何してんだ」

「いいじゃん!ねぇ、一枚だけでもいいから写真撮らせてよ!」

「はぁあ?撮ってどうするんだよ」

「うーん、プリントアウトして藁人形にでも貼って釘でも打とうかな?」

「その前にてめぇの脳内にぶっ刺してやるよ」

「はははっ、冗談だって……」



いつもの言いあいが始まりそうな気がして携帯をしまった。本当はすごく撮りたいけど今の時間が壊れるよりずっといい。
すっとシズちゃんはソファから離れ近づいてくると俺がしまった携帯を取り出して俺の目の前に差し出した。



「ん、別にいい」

「え、何が?」

「写真撮るんだろっ!?」

「え!いいの!!じゃあ遠慮なく!!」



携帯をかまえて何枚も撮り続けた。
ときおり恥ずかしそうな顔をするのでそれは絶対に逃さなかった。



「こっち向いてよシズちゃん!」

「向いてんだろ」

「違うよーこの黒いとこ見てて」

「はいはぃ」



ようやく撮り終えたらものすごい枚数になっていた。
あとでパソコンにとりこもうと考えていると目の前のシズちゃんが「ん」と言って片手を出してきた。



「え、なに?」

「トリック・オア・トリート」



なるほど。
お菓子をおけばいいのか。
実はこうくると予想していたのでポケットからチョコを取り出しておいた。
流石、素敵で無敵な情報屋!



「これでいい?」

「だめ。よし、イタズラだな」

「はっ!?」



何故か拒否られ、身体を持ち上げられると寝室に向かいベッドの上に放り投げられた。
訳も分からないまま唖然としていると服の上から乳首をキュッとつまれた。



「んんっ、やぁッ…」

「チョコよりもこっちの声の方が甘いだろ?」

「死ねっ、ばかっ……///」



シズちゃんの指に身体をなぞられるだけでそこが熱くなりぞくぞくとした感覚が身体の中を駆け回ってきた。
首筋に顔が降りてきたと思ったらいきなり鋭い痛みが走った。



「痛ッ!?」

「だって俺は今は吸血鬼だろ?お前の血、もらっていいだろ?」

「はっ!?やだっ、ぁ、痛ぁっ…」



何度も噛みつかれて貧血にならないか心配になった。
どんどんシズちゃんが噛むところは下がっていき、パンツをスカートの下から降ろした。



「あー、女物のやつ買っとけばよかったな」

「何もよくないよっ……」



体勢が肘で支えているので下が見え、そこにシズちゃんが口を開け含もうとしていて噛まれると思い歯を食いしばった。


―――…だが、痛みはなくカリを押し潰すように優しく強く舐められた。



「噛む訳ないだろ?こんな可愛いもんを」

「死ね!!本当、神様こいつっ、んぁあッ」



こいつにデリカシーはないのか!?
うん、ないね。


肘での体勢が辛くなって俺はシズちゃんの首元に抱きついた。
丹念に舐められ、たぶん苦いのも出ているだろう。
身体から力が抜けていくような感覚に身体中が歓喜しているようにどんどん熱くなっていった。



「ひぁぁッ!んぅっ……ッ」

「感度が今日はいつもよりもいいんじゃねぇか?」

「そなこと……んんぁ」



うずうずと腰を無意識に動かしているとタイミングを見計らったかのように俺のものを含んだ。
止まらない喘ぎ声に気分をよくしたのかシズちゃんはいつもよりも優しく焦らしながら扱い続けた。
でも、もっと乱暴にしてほしかった。
だって俺たちの関係にこんな甘いものいらないでしょ?
断じて、マゾだからとかそういうのじゃない。………たぶん。



「ねっ……シズちゃん」

「なんらよ?」

「はっあぁ、もっと……」

「もっと?」



分かってるくせになんてやつだ。
今度から変態島とでも呼んでやろうか。


一旦動きを止めた
シズちゃんの目を見つめ熱い息でしょうがないから、しょうがないから!俺が折れることにした。



「もっと……激しくして………?」



待ってました!かと言うように口角を上げたシズちゃんは『お望み通り』と言うと口にまた含みジュルジュルと音をたてて吸い上げた。



「ひぁぁああっ!あッ、やぁぁ」



さっきよりも強くシズちゃんにしがみ付き快感の波に耐えた。
根元は指を巧みに使い俺のものはもうかたくなり張り詰めていて射精を近いことを知らせた。



「もっ、イくからぁんん!」

「いっちまえよ」

「や、はなし、て……ふぁっ、んんぅぁあああ!」



ドクンドクンと鼓動の音がやけに大きく聞こえたのはなぜだろうか。
脱力して身体をシズちゃんに預けた。



「んっ、流石にこの味にも慣れたな」

「…馬鹿だよ、シズちゃんは。そんなの美味しくなんかないのに」

「そういえばお前がこれしてくれたことあんまねぇよな」



身体がギクリと震えた。
前に一回あるが、あれはシズちゃんに薬を盛られたせいだ。
こんな正常時の時にあれはしたくない。



「なぁ、やってくr「やだよ」」



シズちゃんがいい終わる前に言うとシズちゃんは眉間に皺を寄せて睨んだ。
俺にやってほしいんだろ?
それは嫌だ。
別にシズちゃんが嫌いだからしたくない訳じゃなくて恥ずかしい。
見降ろされながらあんな体勢でフェラをするのはいくらなんでも俺にはできない。
不機嫌オーラを出しているシズちゃんはため息をつくと俺の頭をわしづかみした。



「へ?」

「やれ、強制だ」

「はあ!?嫌だっ、やだ!」



抵抗する俺を無視して頭を下に押し下げ布団の上に頭を押しつけられた。
ジーっとジッパーを降ろす音がして本当にやる気なのが分かった。
頭をまた持ち上げられそのものの前に顔を持っていかれた。



「やっ、いやだっ!!」



ぐっと前に押されたところで涙がポロポロと落ちた。
それに気付いたシズちゃんは俺を胸の中に抱きしめた。



「わりぃ。調子に乗りすぎた、ごめん。だから泣くな……」



ギュッと抱きしめたのは少し痛かったが反省していることはしっかり伝わってきた。
俺も行き場をを失っていた手をシズちゃんの腰に回した。



「いいよ、シズちゃん。はぁー………、今日だけだからね」

「はっ…?」



今度は自分から頭を下げてしずちゃんのものをペロリと舐めあげた。
息をつめたシズちゃんに気を良くして少し先走りが出ているものをやんわりと撫であげた後口の中に含んだ。
シズちゃんのは大きくて全部は含むことができず、根元は指先で奉った。



「ッ……、やばぃな、も、イキそっ――…」

「早漏れ」



そう言うとむっとしたシズちゃんに俺の頭をぐっと押されのどの奥まできて吐き気が一瞬襲った。



「むぐっ……、ぁ、どこ触って――っ!?」



シズちゃんはいつの間にか俺の後ろに手を伸ばしていてそこを弄られていてシズちゃんのから口を離した。



「ほら、やってくれるんだろ?こっちはやっとくからよ」

「〜〜〜〜ッ、ぁ、んぅ」



再び咥えてその指の動きに耐えた。
知らず知らずのうちに目頭に涙が浮かんできた。



「ひぁ、ぁ、うぅっ……んぅ」

「っ、おぃ、だす、ぞっ……?」

「んっ……!!」



苦い味が口内に広がり含み切れなかったのが口の端を伝ってシーツに染みを作った。
くたっと身体をシズちゃんに預けて上を見上げると最高に甘い顔ををしたシズちゃんの目と合った。けれどその目はまだ満足していない、欲情している瞳だった。



「エッろいなぁ、その顔も、身体もよ」

「は、ぁ…それ褒めてんの?」

「当たり前だろ?」

「死ね、絶対殺してやるッ…ぁあっ」

「安心しろ、その前にお前を俺が直々に殺してやるから」

「はは、うれしく、ないっかも」



言葉は酷いものなのに、何故か安心する。
おかしいね。
まぁ狂っているもんね、俺たちは。

話しているのにシズちゃんは俺の中に入っている指で弄くり続ける。
はっと息をつめてそれに耐えるがもうシズちゃんは俺の何処を触れば一番感じるのか、もう分かってしまっているため悔しいけどこの状態じゃ俺がいつも不利だった。
でも、これが嫌いじゃない俺はシズちゃんに溺れ過ぎてしまったのだろうか?

指をカクンと曲げられると、前立腺にもろ当たり電流が走ったような感覚が身体中に流れた。
この感覚っていうのは何度経験しても慣れない。いや、慣れたくもないけど。
頭の中が真っ白になる様な、血の気が一気になくなるような、そんなふわふわしている感覚。



「ひっ、は、ぁああッ」



強くおされると呆気なく達した。
跳んだ白濁は俺の腹やシズちゃんの足元に跳んだ。
息を絶え絶えにしていた俺の身体を布団の上に優しく寝かせると俺の顔の輪郭をなぞる様にシズちゃんが指で触れた。



「なんかよ、半裸ってのも燃えるよな……」



突然口から出た言葉に一瞬、反応が遅れた。
どうしてだ、いつからシズちゃんはこんな変態になってしまったんだ。
確かに今は上は前にあった紐が解かれそこは露わになっているし、下はスカートがめくり上がっているからほとんど半裸状態だった。



「変態っ――…」

「てめぇだってここ、また勃ってきてんぞ?なんでかなぁ、臨也君?」



脇腹を蹴りあげてやろうとすると見事に足首を掴まれ固定された。
掴まれていない片足でやろうとしたのが馬鹿だった。
そっちの足も掴まれて広げられて、熱が少し治まったところでのこれは恥ずかしい。



「や、離せ、変態ッ!!」

「俺の質問に答えたらいいぜ」



こいつは悪魔だ。
いや、怪物だ。人間じゃない。
絶対に抹殺、抹殺、抹殺、抹殺、抹殺、抹殺、抹殺、抹殺―――――…



ただ足を広げられているだけですごく後ろがうずうずしているなんて言えない。
きっと俺の顔、真っ赤なんだろう。
シズちゃんは変態な顔でニヤニヤ笑ってる。
この状況を打開するには、頭をフル回転使って考えるがどの考えも最終的には俺が折れなきゃきっとこれは終わらない、ということだった。



「ッ、ッ………シズちゃんの…おっきいの…に期待、した……からッ……」



両手で顔を隠して恥ずかしい気持ちを押し殺して小さな声でだが呟いた。
今日は本当に言葉を求めてくるシズちゃんに疑問を持ったが今はそんなことはすぐに吹っ飛んでしまった。



「マジで、可愛いな臨也は」



キスを額におとすと先端が当てられすぐにぐっと奥まで挿入された。
どろどろのそこは簡単にシズちゃんの大きな凶器でも奥まで飲み込んでしまった。
全身が震え、シズちゃんの服にしがみついた。
すぐにピストン運動に変わり口からは熱い息が漏れて止まらなかった。



「ふぁあっ、ひっァああ!おくっ、おくらめっ」

「そこ、好きだもん、な臨也君はっ」

「んんっ、すきぃっ…きも、ひい!」



汗ばんだ身体は気持ち悪いのに、シズちゃんに触れられるとこ全てが熱くて、気持ちいい。
ぎりぎりまで抜かれた時の何とも言えないもどかしさと期待感。そして奥にまできたときの満足感。

そして――…
不安になった。
シズちゃんは気持ちいいのだろうか?
自分ばっかりこんなにあられもない声で喘いでいるがシズちゃんは、飽きたりしてはいないのだろうか?
急にそんなことを考えたら胸が詰まる様に切なくなって涙が止まらなくなってきてしまった。
そのまま絶頂まできてさっきよりも少量になった白濁が飛び散った。
だがシズちゃんはまだイッてないため余韻にしたることなくピストン運動が繰り返される。



「ひっ、あぁ…、やッむり、ムリぃっ!」

「――ッ」


「あぁぁッ!」



ドクドクと奥までシズちゃんのが入ってきてまた切なくなって涙をぽろぽろと流れた。



「は、ぁ…臨也、なんで、泣いてんだよ」

「ひっく、シズちゃんは、気持ちよく、ないのかなっ、って考えてたらッ悲しくなって――…」



シズちゃんは俺の中から抜くと上からギュッと抱きしめた。



「気持ちいいよ、最高に――な、」



耳元で囁かれた言葉は見事に俺の胸を貫いた。
でも、よくこんな恥ずかしいセリフを平気で言えるものだ。

そうか。
俺はそんなことあまり言わないから、だからシズちゃんも不安に、俺みたいになっていたから行為をしているときにあんなことを聞いてきたんだ。

納得して俺もシズちゃんを抱きしめ返した。
納得すると身体が何だかスーッと軽くなった気がした。



だったら俺も、たまに、本当にたま―――に、言ってあげよう。



「静雄、好きだよ――――…」






















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最終的にハロウィンとかけ離れてしまったのはなんででしょうか……。
『静雄』と臨也に呼んで欲しいなぁー、なんて考えてたら最後が雑にm(__)m

今度は最後まで丁寧にできるように頑張りたいと思います





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