静臨*長編

□繋がり
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風呂から出ると臨也はデスクにあるパソコンと睨めっこしていた。
難しい顔でいろんな資料を広げ、パソコンに打ち込んだりしていた。


「風呂、ありがとな」

「ん、いーよいーよ」

「…お前、飯食ったのか?」

「うーん、一応はね」


パソコンに目を向けたまま俺に返事をした。臨也はなんか疲れているような感じがした。

疲れているときはやっぱ甘いもんだよな……

臨也のデスクの近くまでいきその横にさっき買ってきたプリンを置いた。


「ほら、疲れてるんなら甘いもんでも食えよ」

「…ありがと」


ようやくこっちを見た臨也はほほ笑んだ。

そしてまた変な違和感を感じた。
あ、分かった――…


「お前、なんで部屋の中でコート着てんだよ?」


いつもなら帰ってきたのと同時に部屋の中にあるハンガーにかけているのに今日は着たままだ。


「あっ…、忘れてただけだよ…」

「貸せ、ハンガーにかけてきてやるから。お前今日疲れてるんだろ?」

「大丈夫だよ。それより、早く帰ってよーシズちゃんがいたら電話できなんだよ」

「――っ、あぁ分かったよ!帰るからそのコート貸せって!」


手を差し出しても臨也は頑なに拒んだ。
やっぱり変だ。何かおかしい。
そのコートを無理やり掴んで脱がせた。


「ちょ…破かないでよ!?」


脱がせてみたがコートに特に変わった様子はない。

やっぱり気のせいか――…

そう思いデスクを離れようとふっと臨也の首元を見ると赤い痕みたいのがあった。
臨也のコートを手放し顔を上げさせた。


「なっ、何――――…」


「てめぇ、他の誰かとヤったのかよ?」


臨也の顔はどんどん真っ青になり首を横に振った。


「ち、違う!!ヤってない!」

「誰が今まで嘘ついてたやつの言うことなんか信じるか!!」


何かを言おうとした臨也の口を自分の口でふさいだ。
いい訳なんか聞きたくもなかった。







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