静臨*長編
□覚悟しろよ?
5ページ/10ページ
「そういえばてめぇ何で女の姿してんだよ?」
「この格好は俺の趣味じゃないから、狩沢さんのせいだから!森厳…新羅の父親にもらった薬が変なやつでさ。まぁ、効力は1日だけらしいから戻れるんだけどね」
「1日か…」
「それが何――っ!?」
「うわ、本当に胸がありやがる」
嫌な予感はしていたがシズちゃんは服の上から心地よい強さで揉んできた。
これはやばくなると俺の中でサイレンが鳴った。
シズちゃんの気が緩んだすきに強く体当たりしてみると後ろの方によろけ、すかさずベッドから降りようとした瞬間腰をシズちゃんに掴まれてベッドに強制的に引き戻された。
「やだっ、離せ!!」
「まぁ、大人しくしろよ」
やけに冷静なシズちゃんのサングラスの奥にある目がギラリと光り背筋が凍った。
ジャラという音がシズちゃんの手を見て目を見開いた。
「い、いつの間にそんなの用意してたのかな…?」
「さっき部屋の中に入った時にポケットに入れてた」
やっぱりこういうことをするのだろうなとこのホテルに入った時から思っていたけど……
抵抗するも空しく手を後ろで手錠で固定され足はM字型に開き足首を鎖で閉じられないようにさせられた。
「最悪な気分だよ…」
「安心しろ、ここにはお前が喜びそうな玩具ばかりだからよぉ、すぐにいい気分になるぜ」
シズちゃんのその言葉にビクッと身体を震わせた。
確かに周りは戸棚みたいなものがありそこにはグロテスクなものが見えて目を思わず反らした。
スッとシズちゃんは立つと戸棚から2つの瓶を取り出してそれを持って戻ってきた。
「何する気…?」
「そうだな、まずはてめぇがよがる姿がみてぇな」
「は………?」
いきなりマニアックすぎる要求に言葉を失った。
そのすきに1つの瓶を開けそこから何粒か薬を取り出して俺の口の中にいれた。
それに気付いてもがこうとすると口と鼻を塞がれて強制的に飲み込むしかなくなり、喉が動いたことを確認すると手を離して解放してくれた。
「ぷはぁっ、はぁ、薬盛ったな……」
「こうでもしねぇと言わねぇだろ?」
「何それ…んぁ、ぅ」
効果はかなり強いらしくすぐに体が熱くなってきて身体を動かすが思うように動けずジャラジャラと鎖の音が響いた。
・