愛イロ、キミ色
□ep.1
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《…い、おーい。ご主人様〜》
『ん、うぅ…』
聞いたことのある声の持ち主が寝ぼけている頭をぽすぽすたたかれて
覚醒した俺の目の前には
《あっおはよっ!ご主人様☆》
『……どちら様ですか?』
ピアスを着けて銀の長髪を無造作に遊ばせた和服のチャラ男が座り込んで居た
年は見た目俺より三つくらい上だろうか
《うわぁ〜ひどいなぁも〜》
ひどいなぁと言われても見覚えが無いんだが…
ショックを受けたらしく項垂れているイケメンさん
いや、ちょっと待てよ…このしゃべり方にこの声色、どっかで聞いたことがあるような…
『………!?…お前、那智…?』
そういうとパァッと表情を明るくして飛び付いて来やがった
どうやらマジで那智だったらしい
さっき犬違う言ってたけどこれじゃただの犬じゃん
フリフリしてる尻尾が見える
『って本物かよ!?』
バシバシと足に当たる尻尾が幻覚じゃなくてマジに那智の尾骨の辺りから生えていた
《え?あぁこれね〜本物だよ〜》
さわるさわる?と言ってきたのでどんなだろうかと興味本意でそっと撫でてみることにしたんだが
《んっ!》
『えっ!?(ビクッ』
ちょっと待ったああああ!!!
なに!?何なんですか今の甘ったるい声は!?
なぜさわったとたんギュって抱きついてきてんすかぁああ!!??
つか耳元でそんな声出さないで下さいなぁあ!!
『な、那智…?』
《…ご主人様、さわりかたエロい。誘ってるの?》
『はぁあ!?何がだよ!つかさわっていいっつったのお前だろうが!!』
《え〜いいとは言ったけどさまさかこんな風にさわられると思ってなかったんだもーん》
若干拗ね気味の那智にどこからか本気を感じて即座に体を押し退け立ち上がる
『とっとりあえずここがどこか教えろ』
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