愛イロ、キミ色

□ep.3
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「まず、まだ魔障にかかった事のない人はいますか?手を上げて」



三人ほど手をあげるなかで燐くんはキョロキョロとしている
どうも魔障という言葉の意味が分からないようだ



「瑛志、ましょうってなんだか知ってるのか?」



『あぁ、えっと…魔障ってのは、悪魔から受ける傷や病気の事で、それを一度受ければ悪魔が見えるようになる。』



「そのとおりです。祓魔師になる者は初めに必ず通る儀式……もちろん奥村くんには必要ありません。」



悪魔ですからね。と言ったメフィストにオレは?と聞くと同じく必要ないと言われた



「奥村先生のほうは歴代最年少で祓魔師の資格を得た」



「対・悪魔薬学の天才です」



はじめて聞かされた事実に茫然とする燐くん

そりゃそうだよな…巻き込みたくないって思ってた弟が目指してる祓魔師だったなんて、な

心配になり声をかけようとするとガタッと椅子から立ち上がって儀式の準備をしている先生に再び問い詰め始め



「おい!」



「……なんですか?」



「説明しろ…!」



「授業中ですよ。席について」



そう言われて頭に来たようで大きな声を出していった



「ふざけんな!」



先生はそんな燐くんにあくまで冷静に話始める



「…さっきも言ったけど…僕が祓魔師になったのは二年前訓練は七歳の頃から始めた…僕は生まれたときに兄さんから魔障をうけて…」



「物心つくまえから悪魔がずっと視えてたんだ」


「…ずっと知ってたよ。知らなかったのは兄さんだけだ」



言い終わり儀式を始めようとする先生だけれど、血のはいったを持っている腕を燐くんに掴まれて……落とした



ガチャと試験管から異臭が発せられいきなり天井から小鬼があらわれた。皆が慌てるなか数匹が女子のほうへむかっていく


「きゃあっ」



『危ない!』



ビュオッ



咄嗟に投げたお札が風の障壁となり小鬼達を吹き飛ばした



『結果オーライ、だな』


そっちに目がいってるうちにとりあえず外に避難…
先生に誘導され他の生徒も外に出されたようだが燐くんは中に残ったようだ

今中ではあの会話が…がんばれよ燐くん、へこたれたら駄目だからな

扉の方を見てそんなことを考えていたら肩を叩かれた



「あ、あんた」



『ん、あぁどうかしたか?』



話しかけてきたのはさっきの女子



「さ、さっきはあり、がとう////」



「わたしからもありがとうえっと名前は…」



『オレは東雲瑛志だ、よろしくな』



「神木出雲…」



「私は朴朔子。こちらこそよろしくね」



二人と話しているとピンク頭くんが羨ましげに、ついでにトサカくんが興味ありげに此方を見ているのに気が付きついでだから話をしとこうとそっちもよろしく頼むな。と言うとトサカくんが歩いてきて



「お前…さっきのどないしたんや?詠唱もしてへんやろ」



『え!?あぁあれは…』



流石は秀才…聞いてくることが鋭いな



『実はオレもわかんねぇんだよな…あのときは二人助けようと必死だっただけ、だからな』



「なんやねん、それ…」


そう言われても実際那智から渡されただけで具体的にはあんまり説明貰ってないしな



『はは…わりぃ、そのうちきちんと説明出来るようにはなるからさ、多分』



「多分て…まぁええわ。俺は勝呂竜士や、よろしゅう」


『おう!よろしくな!』



「っ!?お、おん…////(なんや、笑うとかいらし…て俺はなにを考えとんのや!)」




『?』



何故か急に焦り始めた勝呂くんに首を傾げていると一緒に居た二人が自己紹介をしてくれた



「志摩廉造どすえ〜よろしゅう瑛志くん」



「僕は三輪子猫丸どす。よろしゅう」



よろしくと答えながら京都の訛りってなんかいいよなとか考えていると教室の扉が開いて中から先生と燐くんが出てきた



「すみませんでした皆さん。別の教室で授業再開します。奥村くんも!」


「…はーい先生!」



いい返事をして出てきた燐くんの後ろを見ると明らかに焼け焦げた跡



『あぁあ…派手にやらかしちゃって…』



「東雲くんも早くこちらに」



『すみません、今いきます』





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