愛イロ、キミ色

□ep.3
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『一一六号室っと…あれ?あの人は…』



教室に向かって歩いていくと反対方向から見知った人が歩いてきた

眼鏡に祓魔師の制服何やら腰にたくさんのものと右手には鞄を提げている



『奥村雪男くんだな』



どうやらあちらもオレに気づいたようで会釈をするとニコリと笑って返してくれた



「君が、東雲瑛志くんですね?」



『え、あはい。でもなんで…』



名前知ってるんだろう



「理事長からお話は聞きました。突然の入学決定で塾にも通うことになったとか」



『はい…まぁ』



「そして、兄さんがサタンの炎を受け継いでいることも知っている…んですよね」



なんか燐くんの時と同様警戒されてる?
やっぱ双子だな…
メフィストの奴も中途に説明しないで欲しいわ、マジで…
でも、誤解は解いておいたほうがいいか



『あぁ知ってる。でも、別にそれがどうとも思ってねぇし、どうかしようとも思わねぇ。どんな力があろうが、それで皆が何て言おうと…オレは燐くんの味方で友達だからな』



オレの言い分を伝え笑いかけると、雪男くんは意外そうな顔をしてその後優しく微笑んだ



「友達…ですか」



『おう!』



「ふふっ…瑛志くん兄さんといつまでも仲良くしてあげて下さいね」



言われなくてもっ、と力強く頷く

そのあと、雪男くんに促されて先に教室に入ると中にはトサカにピンクに丸坊主に麿眉等々漫画で見た個性豊かな生徒たちが比較的広い教室にポツリポツリと座っていた



「おーい!瑛志!!こっちこっち」



『あーうん、分かった。』



手招きした燐くんの1つ席を空けて隣に座る

メフィスト…燐くんの膝の上に居たのか…


オレが腰かけたのとほぼ同時に教室の扉が開き



「席について下さい。授業を始めます」



「!!」ブプッ!?



燐くん驚きすぎていろんなものが出てますよー…
あ、メフィストにかかった



『ドンマイ』



「うるさいですよ、」



とかいいながらハンカチで顔を拭いている
犬が器用に手ぇ使ってら
そんななか話は進んでいった



「はじめまして。対・悪魔薬学を教える奥村雪男です」



そういってさっきあったときのように口許に笑みを見せる雪男くん…じゃなくて奥村雪男先生



「ゆきおっ????」



「はい雪男です」



やっぱり!?と焦ってる燐くんに平然と答える雪男先生



「どうかしましたか?」



「や…どどっどうかしましたかじゃねーだろ!
お前がどうかしましたの!?」



ははっテンパりすぎて燐くん日本語おかしくなってる…



「僕はどうもしてませんよ。」



「????」



『…とりあえずは燐くん、授業中だから静かにしとこうか』



授業中だということを忘れているだろう燐くんの肩を叩き宥めるがすぐにメフィストに質問の矛先を向ける

質問に答えるどころかなんだかかわいい犬の格好にそぐわないようなことを偉そうにのたまっているが…



「お察しのとおり僕は皆さんと同い年の新任講師です」



「ですが、エクソシズムに関しては僕が二年先輩ですから、ここでは便宜上“先生”と読んでください」



まだ燐くんは混乱しているようだが授業は進められていく
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