薄桜鬼

□第五章
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そして戌の刻
池田屋についてから私は役人達が来ていないか周辺を走り回っていた

はぁまだ来ていないのか・・・
私が皆のところに戻ったとき「こっちが当たりか」と新八さんが言っていた

新八さんと総司さんが喋っている時、

「どうだった彩祢?会津藩とか所司代の役人、まだ来てなかった?」

『うん・・・』
私が思うには、手柄だけを取ろうとしてるのではないかと思っている

すると平助君が舌打ちをして

「日暮れ頃にはとっくに連絡してたってのに、まだ動いてないとか何やってんだよ・・・・・」
と少々お怒りの様子

「来ても来なくても一緒だろう?」
と言う
確かにそうかもね

「だけど新八っつぁん------」
と何か話していたけど後半は殆ど覚えていない
こんな風にしているけど私はそれ程余裕はないのだ
私だって隊士だし皆の仲間だって思っているから中に行くつもり
だけどやっぱり幾ら覚悟をしていても怖いものは怖い・・・
こんな事を考えていたら不意に誰かに肩を叩かれた

『っ?!』

誰かと思い振り向くと余裕のあるような笑顔で私を見る総司さんだった

「もしかして緊張してる?そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
笑顔付きで言う
緊張するなって言う方が無理だから!!
今だってもう心臓がバクバクなんだから
それにしてもそんな顔に出てたかな・・・

『総司さんは余裕そうで〜』
「当たり前」と言っていた
なんだか最後に音符でも付きそうな感じだったな
話をしていたらもう亥の刻だった

池田屋に来たときと随分と月の位置が変わっている・・・・

「さすがにこれはちょっと遅すぎるな」

「近藤さんどうします?これでみすみす逃がしちゃったら無様ですよ?」

今まで唯一沈黙を守っていた近藤さんが喋る

「篠原君、君はh『私は行きますよ?これでも隊士なので』」
私は苦笑いで、でも真剣に言う
近藤さん貴方の言葉を遮ってごめんなさい!
そう心の中で誤る私

「・・・・分かった、しかしくれぐれも無理をしないように」

『はい』
「無理」をしない約束はできないかもしれないなぁ
じゃないと私にはちょっとね

そしていよいよ私達は池田屋へ突入する

「会津中将殿御預かり新選組、詮議のため宿内を改める!手向かいすれば容赦なく斬り捨てる!!」

さすが近藤さん!
それにいつの間にか不安も消えてる・・・

「斬れぇぇぇ!!」
敵の声が響く
そして私も刀を抜く

「おりゃぁぁぁ!」

『あんた等一々叫ばないといけないのかっ!!』

ザシュッッ!

私・・・人斬っちゃったよ・・・・
でももう後戻りは出来ない
兎に角今は前に進むしかない!!

『っはぁ はぁ・・・・』
でっでもさすがに皆みたいには・・・無理だな・・・

「総司はどうした!誰か様子を見に行けるものは居ないか!」
えっ?!総司さんが!?

『近藤さん!私が行きます!!』

「篠原君!頼んだぞ!」

言うが早いか私はすぐに二階へと上がる
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