薄桜鬼

□第二章
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皆でワイワイと賑やかな食事をしていた時
突然井上さんが険しい表情で広間に入ってきた

私は井上さんの表情を見ると一気に不安になってきた

「皆食事中にすまないね 実は大坂にいる土方さんから知らせが届いたんだが・・・」

井上さんが「山南さんが隊務中に深手を負った」という

千鶴ちゃんだけは安心していたみたいで「よかった」と言っていた
しかし皆の顔は険しいまま
私は心の中で後悔していた

どうしてっどうしてもっと早く気づかなかったんだろう!!
早く気づいていれば山南さんが怪我をしなくてすんだのに・・・!!

そんな事を考えているとがしゃんっという大きな音がして我に振り返った
平助君が余計な事を言ってしまい原田さんに殴られた・・・ようだ

「痛ってぇ」

「やりすぎだぞ佐之!」

「わりぃ」
永倉さんが千鶴ちゃんを見て言う

「千鶴ちゃんよぉ今のは君に聞かせられるギリギリのところだ」

「でも・・・」
それでも尚引き下がろうとしな千鶴ちゃん

「【新撰組】っていうのは可哀想な子達のことだよ」
沖田さんは冷たい声で言う
でも千鶴ちゃんは可哀想の意味が分かっていないらしい

「忘れろ 深く入り込めばお前の生き死ににも関わりかねん」
そういい残すと斎藤さんは広間から出て行った
広間にはただ重い空気だけが残っていた
私はそれに耐えれなくなり声を掛ける

『千鶴ちゃん 私達は部屋に戻ろう』
そういって私達は広間を後にした

あの時永倉さんは千鶴ちゃんにしか言ってなかったけど私にも言われていたような気がした
私は【羅刹】の事を知っているからまだ見逃されているだけ
考えている間に部屋についた

『千鶴ちゃん あまり気にしない方がいいよ』

「うん・・・」
それでもまだ納得がいかないというかのような顔をする

『斎藤さん達の言うように千鶴ちゃんは関わらない方がいいと思う』

「---いの?

『え?』

「どうしてっ・・・どうして彩祢ちゃんはいいのっ?!」
千鶴ちゃんは泣きながらがキッと睨んで私を見る

「永倉さんや斎藤さん・・・皆私にだけ言うっ

何で私は知っちゃいけないのっっ!?」
そっか・・・千鶴ちゃんは自分だけ仲間外れにされてると思ってるんだ

『違うよ千鶴ちゃん』
私は優しくでも真剣に言う

『皆千鶴ちゃんの事を大事にしてるから言うんだよ そうじゃなきゃ皆あの場で何も言わなかったと思うよ』

「え・・・?そ・・・うなの?」

『うん だから何も気にしないでいい』
ねっと笑い掛ける
そうすると千鶴ちゃんは私に抱きついてきた

「ごめんっごめんね私・・・勘違いしてた・・・」

私は千鶴ちゃんの話をただ静かに聞いていた
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